2017年10月21日

ジャズ・アルバムへの評価観が問い直される?〜今日のジャズ喫茶(16)

悪天候の週末でしたが、早稲田NUTTYへうかがいました。
今月のテーマはモンクです。

トランペッターのハンニバル・マーヴィン・ピーターソン(Hannibal Marvin Peterson)という人は、1970年代にものすごい人気で、オーナーの青木氏もライブに足を運んだとか。

この日はWell You Needn'tが収録されている1979年のアルバム"Tribute Hannival"がかかりました。
‘トランペットのコルトレーン’と呼ばれていたらしく、私好みのハードなブロウ。
ドラムとのDUOも圧巻でした。

そのほかのメンバーは、ピアノがマイケル・コクレーン(Michael Cochrane)、チェロがディードレ・マレイ(Diedre Murray )、ベースがエロール・ウォルターズ(Errol Walters)、ドラムスがマカヤ・ウンチョコ(Makaya Ntshoko)。

次いで、ピアニストのジャッキー・バイアード(Jaki Byard)という人。
Evidenceが入っている1968年の“Jaki Byard Experience’というアルバムがかかりました。

多様な音楽スタイルの曲がつまっていて、アルバムのコンセプトが一貫していない印象。
正直戸惑いました。
トラディショナルなスタイルもあれば、共演しているサックス奏者の演奏がアバンギャルドっぽかったり。
ジャケットを見に行ったら、ローランド・カークのサックスだと判明。
ちなみにベースはリチャード・デイヴィス(Richard Davis)、ドラムはアラン・ドーソン(Alan Dawson)。

71Ciys4mVdL__SL1096_.jpg

オーナーの青木氏いわく“ジャズのアルバムとは・・みたいな固定観念を持っていたら、こういうのを聴くと面食らうかも。。。”
自分の好みのものばかりを偏って聴いていたために、感じ方が狭くなっていたのかもしれません。
勉強になります。
普段聴いていないスタイルの演奏からも、演奏の素晴らしさが聴き分けられるような耳を持っていたいです。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 22:39| Comment(0) | 今日のジャズ喫茶

2017年10月19日

自由なインタープレイによる独特の世界観:シーラ・ジョーダン〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(16)

1928年生まれのSheila Jordan は来月で89歳。
大江千里さんのアルバムに参加していたのを、以前にこのブログでも紹介しましたが。。。。

webを見たらこれからのライブの予定がたくさん入っているのを発見! 
まだまだ現役なんですね。
今回も手に入る限りのアルバムを年代順に聴いて、お勧めをピックアップしていきます。

チャーリー・パーカーに認められてニューヨークに進出したシーラ。
バップのミュージシャンの中でキャリアを積み、楽器奏者のようにコード進行に即したインプロヴィゼーションを展開するヴォーカリストだと言われていますが。
cuteな声で繰り出すフレージングは、彼女独特の個性に溢れたものになっています。

初リーダー作“Portrait of Sheila”を吹き込んだのは32歳の時でしたし、2作目のアルバムを日本でリリースしたのが、その13年後。
苦労しながらも独自のアプローチを切り拓き、今なお年齢を感じさせずに第一線で活躍している一途な姿に心惹かれます。

デビュー作を名盤としてお勧めする方も多いのですが、学生時代に私が良く聴いていたのが2作目のアルバム、1975年の“Confirmation”。
パーカーを敬愛していたシーラがConfirmationをどう歌うのか興味深かったですし。
God Bless The Child、My Favorite Thingsといったスタンダードの自由な歌い方や、それらを次々とメドレーで続けていくアルバムの構成が新鮮でした。

ミュージシャンの演奏もシーラの自由なアプローチにぴったりあっていて。
ピアノはアラン・パスクア(Alan Pasqua)、ベースがキャメロン・ブラウン(Cameron Brown)、ドラムがビーヴァー・ハリス (Beaver Harris)、テナーサックスが ノーマン・マーネル(Norman Marnell)。

シーラはベーシストとのDUOのアルバムが多いのが特徴的。
ほかの楽器では得られないテクスチュアやグルーブが生み出されると感じているかららしいです。

お勧めはハーヴィー・シュワルツ(Harvie Swartz)とのDUOによる“The Very Thought Of Two”。
1988年の日本初来日時のライブの模様を収録しており、彼女のライブ録音はこれがはじめてだとか。

アルバムのタイトルが洒落てます。
ほかにもI've Grown Accustomed To The Bassなんていう曲名をDUOアルバムのタイトルにしていたり。
(原曲のタイトルはbassではなくてface)

ハーヴィーとは79年のアルバム“Playground”で共演したスティーブ・キューン・カルテットで知り合い、その後も多くのアルバムで共演しています。
ライブなのでスタンダード・ナンバーの自由度が半端じゃないですし、二人の息もぴったり。

インタープレイが得意なシーラのアルバムは、やっぱりライブ盤がお勧めです。
ハーヴィーとピアノのアラン・ブロードベント(Alan Broadbent)と共演した“Better Than Anything”は、1991年の録音。
彼女が何度も吹き込んでいるお馴染みの曲が満載ですが、リラックスしたライブならではの自由なパフォーマンスを楽しめます。

51RwKasoqdL.jpg

彼女のライブ、残念ながら聴きにいったことがないのですが、これから機会に恵まれるでしょうか。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 15:47| Comment(0) | ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱

2017年10月18日

セシル・マクロリン・サルヴァントの新譜は?

1989年生まれのCécile McLorin Salvantの4作目。
9月末に発売されたNYヴィレッジ・ヴァンガードでのライブアルバム“Dreams & Daggers”は、オリジナルを含めた22曲が収められた2枚組です。

声で巧みに様々な表現ができるヴォーカリストだと思います。
例えば2016年にグラミー賞の最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞を受賞した前作“For One to Love”の中のGrowlin' Danという曲では、キュートなwhisper voiceで歌いながら、これでよくノドを痛めないな〜って思うようなダミ声を出していたり。

本作でもMad About The Boyでは、Madという言葉を歌詞にあわせて色々な声色で表現しています。
ボブ・ドローのNothing Like YouやガーシュインのMy Man's Gone Nowも、多彩な声を駆使しながらダイナミクスを聴かせた表現が素晴らしい、

ライブの観客の歓声がすさまじくて、どんなステージングだったのか、とても気になりました。

61OQixnJWpL.jpg

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 02:23| Comment(0) | お勧めCD/ミュージシャン

2017年10月09日

ジャズ喫茶で聴くサウンドの醍醐味は?〜今日のジャズ喫茶(15)

穏やかな秋の午後、高田馬場マイルストーンにうかがいました。

聴かせていただいたのは、チューバ奏者のレイ・ドレイパーがコルトレーンと共演した“The Ray Draper Quintet Featuring John Coltrane”。
1957年、彼が17歳の時のリーダーアルバムです。
モダン・ジャズでは珍しいチューバによる素朴なアドリブとコルトレーンの流れるようなアドリブの対比がおもしろい。

次いでマデリン・ペルーによる1996年のファースト・アルバム“Dreamland”。
ノスタルジックな曲調にビリー・ホリデイを思わせる声の伸びが特徴的です。
この日かかった彼女のオリジナル曲 Hey Sweet ManはギターとのDuoで始まるブルース。
演奏が進むにつれ、トランペットのソロやリード・オルガンのサウンドが立ち現れます。
ギターはマーク・リボー(Marc Ribot)、トランペットはマーカス・プリンタップ(Marcus Printup)。

最も印象に残ったのは、 2014年に88歳で亡くなったジミー・スコットが1994年に録音した“Dream”。
ジュニア・マンス、ロン・カーター、ミルト・ジャクソンといった大御所と共演したスタンダードアルバムです。
今まで彼のアルバムは、いわゆる「名盤」をわずかに聴いてきただけだったのですが。。。

独特の高音を活かしながら語りかけるように歌っていて、ミュージシャンの演奏とのバランスが絶妙。
vocalのよさがくっきり浮き出ているのです。
調べたところグラミー賞を数多く受賞しているTchad Blakeという人がmixerでした。
ジャズ喫茶のいい音で聴くからこそ、音作りの妙をしっかり味わうことができるんだなぁと感じました。

ジミー・スコットはいいよね!と店主の織戸さんも勧めてくださいましたので、少し研究していきたいなと思います。

31E7MFY9D4L.jpg

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 22:07| Comment(0) | 今日のジャズ喫茶

2017年10月07日

佐野亜利亜Jazz Vocal Liveのお知らせ

私が出演するジャズボーカル・ライブのご案内です。
ぼちぼちやっていますので、皆様遊びにいらしてくださいね。

★11月6日(月)東京倶楽部本郷店 19:20〜 20:50〜 22:00〜(入れ替え無し)MC2500円
 with 藤澤由二(pf) どんなスタイルの演奏も聴きごたえある藤澤さんとのデュオです。
〜文京区本郷3-31-3本郷スズヨシビルB1 本郷3丁目駅より徒歩2分 TEL:03-6801-8322
http://www.tokyo-club.com/access/?shopid=hongo

★11月29日(水)池袋 Hot Pepper 20時〜 21:15〜 22:30〜(入れ替え無し)MC2500円
 with 佐藤ミドリ(pf)、うのしょうじ(b)、宮一佐知生(ds) 迫力満点のピアノトリオとの共演です。
〜東京都豊島区西池袋1-37-15 西形ビル5F 池袋駅より徒歩5分 TEL:03-3971-8669 
http://jazzhotpepper.com/index.html

★12月25日(月)東京倶楽部本郷店 19:20〜 20:50〜 22:00〜(入れ替え無し)MC2500円
 with 藤澤由二(pf) クリスマスの夜はリリカルなピアノとのデュオでお楽しみください。
〜文京区本郷3-31-3本郷スズヨシビルB1 本郷3丁目駅より徒歩2分 TEL:03-6801-8322
http://www.tokyo-club.com/access/?shopid=hongo

IMG_0002_original-thumbnail2.jpg
@東京倶楽部本郷店 撮影:古谷慎治

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 21:10| Comment(0) | ライブのご案内

モンク生誕百年にちなんだ名盤は?〜今日のジャズ喫茶(14)

早稲田NUTTYの今月のテーマは、“NUTTY”の作曲者Thelonious Monkの特集。
1917年10月10日生れなので、生誕100年を記念して、お気に入りの演奏、カバー作品など、是非お持ち下さい、とのことでした。

この日にかかっていたのは、ポール・ブレイ(pf)、チャーリー・ヘイデン(b)、ポール・モチアン(ds)による1990年のアルバム“Memoirs”からMonk's Dream。
ヘイデンの柔らかく太いベースがブレイのピアノに絡んでいきます。

次はヴォーカリストにお馴染みの“Carmen Sings Monk”
カーメン・マクレエによる1990年のモンク曲集で、この日かかったのは
ライブによるStraigt No Chaser、スタジオ録音のRuby,My DearとWell You Need'nt。

モンクの曲をレパートリーに加えたいので、このアルバムは私も大切に聴いていたのですが。
これまではカーメンの歌にばかり気をとられ、ミュージシャンの演奏の素晴らしさにほとんど耳を傾けていなかったことに気づきました。

チャーリー・ラウズは、ライブ・バージョンのみの参加ですが、長年モンクと演奏活動を共にしていたテナー奏者。
スタジオ・バージョンに参加しているテナーのクリフォード・ジョーダンも、高音から低音まで、限りなく美しい音色を奏でています。
そのほかにもジョージ・ムラーツの躍動感にあふれたベース・ソロやアル・フォスターの歌いまくっているドラム・ソロなど。

あらためてじっくりといい音で全曲聴き直したいアルバムです。

71WgQmVaY7L__SL1080_.jpg

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 20:17| Comment(0) | 今日のジャズ喫茶

初秋はホット・ペッパーのライブで

あっという間に涼しくなって、すっかり秋ですね〜〜
10月5日(木)は池袋Hot Pepperで恒例のライブでした。

メンバーは、当店でいつも御一緒いただいている芸達者なピアノトリオ。
パワフルな佐藤ミドリさん(pf)、頼れるうのしょうじさん(b)、ベテラン芸の宮一佐知生さん(ds)。
3セット目にはご来店くださったお客様が参加してにぎやかなセッションのようになりました!

歌いました秋の曲は、はじめにAutumn in New York、
Autumn Serenade はコルトレーンとジョニーハートマンでお馴染みです。
そして今の季節にぴったりのEarly Autumn。

ライブの前の日は中秋の名月(十五夜)だったので、月にちなんだ歌も。
四季折々の月の美しさを歌ったMoonlight in Vermont。
Blue Moonはビリーホリデイの名唱がありますよね。
十五夜の日は、雲がかかっていて月があまり見えなかったので、まんまるの月が空にぽっかり浮かんでいる様子を思い浮かべながら歌ってみました。

●IMG_0411_original.JPG
撮影:古谷慎治

次回は11月29日(水)。
リクエストもありましたらお待ちしています。
そのほかの秋の曲もレパートリーに色々ありますので。。。。。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング

posted by ありあ at 19:06| Comment(0) | ライブのご報告

2017年09月22日

ダイアン・リーブスの新譜は?

現役女性ジャズヴォーカリストの最高峰Dianne Reeves。
このほど発売された“Light Up The Night”は、2016年に開かれた南フランス“ジャズ・イン・マルシアック”でのライブの模様を収録しています。

ミュージシャンは、ピーター・マーティン (p)、ホメロ・ルバンボ (g)、レジナルド・ヴィール (b)、テレオン・ガリー (ds) という今年5月に来日した時のメンバーに加えて、ハーモニカのグレゴア・マレ。

来日公演のときもそうだったのですが、観客とのコール&レスポンスで会場を盛り上げている曲が何曲かあって。
歌の完成度にとどまらず、彼女のライブはエンターテイナーとしての魅力にもあふれています。

来日公演でも歌っていたパット・メセニーのMinuano(Six Eight)やAll Bluesといった曲も収録されていて、ステージングのスケールの大きさに心が震えた5月のライブを懐かしく思い出しました。

61QsW21ZsTL__SY355_.jpg

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 02:48| Comment(0) | お勧めCD/ミュージシャン

2017年09月04日

今年は渋谷で東京Jazz

チケットをいただく機会に恵まれ、最終日の9月3日の夜にNHKホールへ聴きに行ってきました。

トップバッターはロン・カーターのカルテットで、共演はウォレス・ルーニー(tp)、リニー・ロスネス(p)、ペイトン・クロスリー(ds)。
Stardustでのウォレスのミュートが美しかったこと!

次いで二十歳のcuteな女性ドラマー川口千里さん。
メジャーデビューアルバムのレコーディング・メンバー、フィリップ・セス(key)とアルマンド・サバルレッコ(b)を迎えてのパワフルな演奏でした。
ステージ最後の曲はドラムソロからrit. してのエンディング・・・だったのですが、それ以外の曲は全てエンディングが迫力あるcut outで終わっていたのが特徴的でした。

最後は渡辺貞夫氏。
メンバーはデイヴ・グルーシン(p)、リー・リトナー(g)、ピーター・アースキン(ds)、トム・ケネディ(b)で、初共演のトム以外は、渡辺さんと長い間演奏活動をともにしてこられた方々だそう。

カリフォルニア・シャワーのような懐かしい曲では会場が大いに盛り上がってましたし。
アルトサックスの音色のメロウな美しさを今さらながら再認識しましたし。
こんなところでバスドラ踏んでる!・・みたいなピーターの巧みなドラミングが渡辺氏の曲と演奏をしっかり支えているのがよくわかりましたし。

東京Jazzの模様は10月に入ってから毎週土曜日にNHKのBSプレミアムで放送されるそうです。
ほかの日の演奏がどうだったか気になるので、今年も見逃せません。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 12:14| Comment(0) | ライブ聞きに行きました

三槻直子さんのライブへ

8月31日に池袋のP's Barに行って参りました。
ミュージシャンは外谷東さん(pf)、山本裕之さん(b)。
三槻さんにはずっとお世話になっていたのですが、しばらくご挨拶もできなくて。
ライブにうかがったのも何年ぶりになるでしょうか?

お店はお客様ですし詰め状態。
ジャズ・ヴォーカルをやっておられる女性の方が多く、遠路はるばるいらしていた方も少なくなかったようです。

リリースされているアルバムの中の曲もたくさん聴かせていただきましたが、そのほかの曲では
・ベースとのDuoで始まったNo moon at all
・生徒さんも取り組んで練習しておられるというTwo For The Road
・抜群にswingしていたToo Close For Comfortや I Didn't Know What Time It Was
・“Tum tum tum・・”というフレーズが耳から離れないポルトガル語のBatida Diferente 
・Verseが美しかったアンコールの曲、The Nearness of You

色々聴かせていただいて、とても勉強になりました。
どのような感情にのせて声を張り、あるいはファルセットで声をコントロールするのか、などなど。

スキャットや4バースをしておられたところもありましたが、それらに頼って“Jazz”を表現するのではなくて。。。。。。
どういったパフォーマンスなら、ヴォーカリストが“Jazz”を表現できるのか。
あらためて考えさせられました。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 00:10| Comment(0) | ライブ聞きに行きました

2017年08月31日

華麗なスキャットとヴォーカリーズ:アニタ・ワーデル〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(15)

Anita Wardellは1961年生まれ、英国出身のオーストラリア育ちです。
声がとてもcuteで、こんなところまで出るの?!と驚くくらいに声域が広い。
その魅力的な声で、スキャットやヴォーカリーズ(ジャズ・ミュージシャンが演奏したスタンダード曲のアドリブパートにそのまま歌詞をつけて歌うこと)を軽々こなしていくのです。

ジャズ・ヴォーカルファンなら心奪われること間違いなしの彼女がリリースした7枚のアルバムから、お勧めをピックアップしました。

1997年にリリースされた“Why Do You Cry”は、ピアニストLiam Nobleとのデュオ。
私が大好きなマーク・マーフィーとノーマ・ウィンストンが推薦の言葉を寄せていました。

ゆったりと歌うI've Never Been in Love Beforeではチェット・ベイカーを思わせるけだるい雰囲気のフレーズとシラブル(発音)でスキャットしているのですが。
Twistedのようなアップテンポの曲が圧巻。
ピアノとのデュオはこうでなくちゃ・・と思わせるインタ−プレイも随所で発揮されています。

2006年のアルバム“Noted”はよく知られた選曲で楽しめます。
Moaninではリー・モーガンのソロをヴォーカリーズ。
Watermelon ManやSidewinderといったファンキーな曲も。
この年に彼女はBBC Jazz AwardsのBest of Jazzを受賞しています。

noted240.jpg

彼女のアルバムを聴いていると、この曲をこんなリズムやアレンジでやるんだ〜という新鮮な発見がありますし。
マーク・マーフイーは、クリアで正確な彼女のbop signingもさることながら、情感がこもったバラードに心打たれたと書いていました。

日本ではファンの方が少ないかもしれませんが、様々な角度からのジャズ・ヴォーカルの魅力にあふれた素晴らしいヴォーカリストだと思います。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 00:19| Comment(0) | ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱

2017年08月30日

バリトン・ヴォイス 新たな発見?〜今日のジャズ喫茶(13)

早稲田NUTTYで貴重なVOCALアルバムを聴かせていただきました。
1978年に日本でリリースされたジョニー・ハートマンの“Live At Sometime”。
1977年、3度目の来日の時のライブ盤で、ミュージシャンはローランド・ハナ(p)とジョージ・ムラーツ(b)。
メンバーも素晴らしいです。

Summertime の歌い出しとエンディングでは、It Ain't Necessarily Soが登場するという粋なアレンジ。
My Foolish Heartはバラードですが、小節をまたいで大きくフレーズをとらえたスリリングな唱法でした。

41JWPB6F23L.jpg

リラックスした雰囲気の中でのライブ。
彼のジャズ・ヴォーカリストとしての真骨頂を発見できたのは大きな収穫でした。
ほかのアルバムも色々聴いて、ジョニー・ハートマン研究がしたくなりました。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 00:27| Comment(0) | 今日のジャズ喫茶

2017年08月29日

今年も福森道華ちゃん&石川政実氏のライブへ

ピアニストの福森道華ちゃんがNYから帰国して、年に一度のJAPANツアー。
初日は、昨年もライブがあった赤坂Tonaliteでした。
石川政実氏(g)、佐藤慎一氏(b)、公手徹太郎氏(ds)との共演。

石川さんと道華ちゃんはご夫婦。
佐藤さんと公手さんは、石川さんの大学時代のジャズ研つながりのお仲間だそうです。
なのでステージは終始なごやかな雰囲気!

道華ちゃんと石川さんが、仲良く交互に選曲して、演奏が進んでいったので、
道華ちゃんのメロウな演奏スタイルを活かした曲と、石川さん好みのファンキーな曲の両方が楽しめました。

ファンキーな曲での道華ちゃんのアドリブがパワフルで、彼女の演奏の新たな一面を聴かせていただいたような・・・。
そこにからむ公手氏とエレキベースの佐藤氏の演奏も白熱していて聴きごたえがありました。

2017_8_24.jpg
お店のHPより

渡米する前は私の歌につきあって、ずっと一緒に演奏してくれていた道華ちゃん。
NYに行ってもう17年になるそうで、来年はまた新しいCDが出るとのこと。

昨年のライブでも、彼女の活躍をうかがい、大いに刺激を受けたのですが。
あれから早くも一年。私もいつまでもぼんやりしていられないです。。。。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 20:19| Comment(0) | ライブ聞きに行きました

2017年08月22日

東京倶楽部本郷店でライブ

8月21日(月)はピアノの藤澤由二さんとのduoでした。
このところ、急にお天気が悪くなる日が多かったので、この日も不安でしたが
お運び下さった皆様、ありがとうございました。

当日はジャズをあまり聴いたことがないというお客様がいらして下さったので、
セルジオ・メンデスやカーペンターズ、映画音楽などなど、どなたもよくご存じの曲を選曲して、私なりのアレンジでお届けしました。

○IMG_0238_original.JPG
撮影:古谷慎治

次回の東京倶楽部でのライブは11月6日(月)です。
私が持ち歌にしていない曲も、リクエストをいただければ頑張って次のライブまでに歌えるようにしておきますので、何なりとお申し付け下さいませ!

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 14:28| Comment(0) | ライブのご報告

2017年08月18日

夏は熱いジャズに限る?〜今日のジャズ喫茶(12)

時間ができたなら早く家に帰って練習しなくちゃ・・と思う心と
近くまで来たんだからやっぱり少し寄っていこうかな〜と思うココロ。
小さな葛藤の末、行きたい気持ちが抑えきれずに早稲田のJazz Nuttyへ。

扉を開けたとたん大音量で聞こえてきたのは、スタン・ゲッツ(ts)。
1971年、ロンドンでのライブ録音 “Dynasty” です。
フランス出身のエディ・ルイス(Eddie Louiss)のオルガン、ベルギー出身のルネ・トーマ(Rene Thomas)のギターが加わったカルテット。
これがゲッツ?と思わせるHotな演奏です。

次いでトランペッター、ウディ・ショウが1982年にライブ録音した“Master of the Art”。
当時のレギュラーコンボにボビー・ハッチャーソン(vib)がゲストで加わっています。
スティーブ・トゥーレ(Steve Turre)のトロンボーンもgood!

417vkrtNQxL.jpg

硬派のジャズ喫茶が選ぶアルバムには、やっぱりハズレがないですね。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 02:21| Comment(0) | 今日のジャズ喫茶

2017年08月12日

夏の週末に聴く心震える名盤は?〜今日のジャズ喫茶(11)

お盆で都心も静かな週末。
高田馬場のマイルストーンにぶらり、うかがいました。

かかったのはテナー奏者チャールスロイド(Charles Lloyd)の初期のアルバム、
1965年の “Of Course, Of Course”。

ロン・カーター(b)とトニー・ウィリアムス(ds)、ギタリストにガボール・サボ(Gabor Szabo)。
ギターとテナーのDUOによるThe Things We Did Last Summerのインタープレイがスリリングでした。
夏の想い出の数々が次々よみがえってくるような演奏。

次いで6月に60歳で亡くなったピアニスト、ジェリ・アレンによる1989年録音のアルバム“Segments”。
チャーリー・ヘイデン(b)、ポール・モチアン(ds)とのトリオです。
バラエティに富んだ選曲の中で心惹かれたのはリリカルなI'm All Smiles。

いつまでも元気に演奏を続けていられるとは限らない。
そんな思いがよぎって、しんみりしてしまいました。

4118jaGul2L.jpg

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 23:54| Comment(0) | 今日のジャズ喫茶

2017年08月11日

迫力あるベテラン・シンガー、バーバラ・モリソンの新譜は?

1949年生まれのBarbara Morisonは、西海岸に拠点を置いて活躍するJazz & Bluesシンガー。
アルバム“I Wanna Be Loved”がJazz Week のChartにランクインしていたので聴いてみました。

ハスキーな声とダイナ・ワシントンを彷彿とさせるブルース・フィーリングあふれた歌い回し。
Please Send Me Someone To Loveのようなシャウトするシンガーが得意とする曲だけでなく、September In The Rain のようなスタンダードでも、彼女の個性的な表現を楽しむことができます。

今年83歳のテナー奏者、ヒューストン・パーソン(Houston Person)が共演しているのも聴きどころ。

5169gAx5ZtL.jpg

バーバラは去る7月に15年ぶりに来日されていたとのこと。
迫力がある楽しいライブだったのではないかと推測します。
次の来日があったら逃さないようにしようと思いました。

Jazz Week のChartや『Jazz Life』『Jazz Japan』といった雑誌を見て、これは?!と思ったvocalistの新譜は聴くようにしているのですが。
その中には「是非お勧めしたい」という気持ちにならなかったアルバムで、ブログ掲載に至らなかったものも、やっぱりあるんですよね。

人によって好みが違うので一概に言えませんが、このアルバムのように「聴いてよかった!」と思えるクオリティが高いアルバムを、これからもご紹介していくことができたらと思います。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 21:54| Comment(0) | お勧めCD/ミュージシャン

2017年08月09日

ジョン・ピザレリによるシナトラ&ジョビンのトリビュートアルバムは?

軽やかなヴォーカルを聴かせてくれるのがギタリストの John Pizzarelliです。
フランク・シナトラとアントニオ・カルロス・ジョビンが組んだ名盤“Francis Albert Sinatra & Antonio Carlos Jobim”の発売から今年で50年。
ということでこのほどリリースされたトリビュートアルバムが“Sinatra and Jobim @ 50”。

ジョンはボサノヴァ作品集“Bossa Nova”を2004年に、シナトラ・トリビュート・アルバム“Dear Mr. Sinatra”を2006年に出していましたが。
今回のアルバムでは“Bossa Nova”に参加していたジョビンの孫のダニエル・ジョビンとのDuetが聴きどころになっています。
ジョンのけだるい声がダニエルの声とよく似ていて、2人がからむサウンドが美しい。

何曲かがメドレーになっているのですが、曲の組み合わせや流れがとても自然。
ジョンお馴染みのギターとのユニゾンによるスキャットなど、聴きどころ満載です。

個人的に気に入った曲は、ジョンのオリジナルCanto Casual。
トリビュート・アルバムでありながら、ジョン・ピザレリの個性に溢れたアルバムでした。

71PpTr2T6hL__SL1200_.jpg

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 00:33| Comment(0) | お勧めCD/ミュージシャン

2017年08月04日

『人生が変わる55のジャズ名盤入門』のススメ

ベーシスト鈴木良雄氏による本書は、昨年2月に竹書房から出版された新書。
ミュージシャンやヴォーカリスト、音楽プロデューサー、ジャズ喫茶のオーナーといった方々のアンケートによってランキングされたお勧めアルバム55枚が紹介されています。

「音楽評論家が書いていない初めてのジャズ・アルバムの入門書」と冒頭に書かれているように、ミュージシャンとしての視点でアルバムが紹介されている点が特色です。

これまで私も勉強のために、名盤と呼ばれているインストのアルバムは、数々の入門書を手がかりにしながら、それなりに聴いてきたのですが。

バッキングやフレージングのここが優れているといったところや演奏スタイルの特色等々。
鈴木氏のような偉大なミュージシャンがジャズの演奏を聴くときに、どこに着目しているのか知りたくて、本書を片手に再度名盤を聴き直しているところです。

私もこのブログでジャズ・ヴォーカリストの視点からVOCALアルバムをご紹介していますが。
本書を読むと、私自身の語彙の乏しさもさることながら、演奏自体のどこをどのように聴いているのかという点に、まだまだ未熟さを感じてしまいます。

ちなみに本書で紹介されていたVOCALアルバムは次の8点。
・Ella&Louis(19位):エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング
・Chet Baker Sings(22位):チェット・ベイカー
・Mack The Knife Ella In Berlin(28位):エラ・フィッツジェラルド
・Gets / Gilberto(30位):スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト
・Lady In Satin(44位):ビリー・ホリデイ
・Helen Merrill With Clifford Brown(47位):ヘレン・メリル
・Crazy And Mixed Up(49位):サラ・ヴォーン
・Amoroso(54位):ジョアン・ジルベルト

このうちチェットとエラ、サラのアルバムは、私のブログでも、ジャズヴォーカルを始めて聴く方へのお勧めとしてご紹介したところです。

本書によれば、歌は歌詞を理解してナンボのもの。
歌はインフォメーションの中心が歌詞なので、楽器だけの曲とヴォーカル入りの曲を、同じ土俵では語れないと鈴木氏は書いておられましたが・・・。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 10:42| Comment(0) | Jazz修業

2017年08月03日

“LIVE IN TOKYO”の名盤は?〜今日のジャズ喫茶(10)

早稲田NUTTYの8月のテーマは“LIVE IN TOKYO”です。

オスカー・ピーターソンの2枚組LP、“Oscar Peterson Trio In Tokyo, 1964”は Ray Brown(b)、Ed Thigpen(ds)を率いた、オスカーの黄金トリオの来日アルバム。
この日かかった曲はTonight、Fly Me To The Moon、Somewhereでした。
ため息が出るような超絶テクニック。
次回はほかの曲も聴かせていただきたいと思わずお願いしてしまいました!

raw.jpg

セロニアス・モンクのアルバムは“Monk in Tokyo”。
1963年に来日した際の録音です。
そのほかのメンバーは、Charlie Rouse (ts)、Butch Warren (b)、Frankie Dunlop(ds)。
どのミュージシャンもモンクの世界をシンプルに体現してくれていて、日本のオーディエンスにもわかりやすい演奏になっていたように思います。
この日かかった曲はStraight, No Chase、Pannonica、Just A Gigolo。

ジョン・コルトレーンのアルバムは1966年に録音された“Live in Japan”。
Pharoah Sanders (tsその他)、Alice Coltrane(p)、Jimmy Garrison(b)、Rashied Ali(ds)がそのほかのメンバーです。
最も短い曲Peace On Earthでも録音時間が25分。
亡くなる前年の演奏であることを全く感じさせない嵐のようなブロウ。
エネルギーに溢れた演奏に圧倒されました。

60年代半ばのこの時期。
ジャズ・ジャイアンツが次々と来日していたなんて羨ましい・・・。
アルバムだけでもその偉大さが十分に伝わってくる名演を、是非ライブで私も味わってみたかったです。

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

ジャズランキング
posted by ありあ at 21:53| Comment(0) | 今日のジャズ喫茶