2016年10月22日

今月のジャズ聴き比べ:様々な視点から

毎月第3火曜日に新宿の朝日カルチャーセンターで開講されている寺島靖国氏の「ジャズ聴き比べの楽しみ」

今月の聴き比べその1は「他ジャンルに由来する曲」
色々なジャンルの曲がジャズミュージシャンに取り上げられてスタンダードナンバーになっていくわけですが。。。

はじめの曲は‘The Lamp Is Low’。
30年代のポピュラーソングで、多くのミュージシャンやシンガーが取り上げている曲です。
今回聴いたのは、女性ヴォーカリスト、ケイト・リード(Kate Reid)による2011年の“Love I'm in”というアルバムから。
ミュージシャンは、Otmaro Ruiz(pf)、Ernie Watts(ts)、Steve Reid(tp)、Chris Conner(b)、Steve Barnes(ds)。
テンポが様々に変わるアレンジで、ドラムソロやベースソロも聴き応ごたえがありました。
調べたところ、この方は元々カントリー・シンガーだったとか?!

71jQ1z7zCYL__SL1500_.jpg

次の曲は、サラ・ヴォーンが79年にリオで録音したブラジル音楽を集めたアルバム“Copacabana”から、ソウルフルに歌うタイトル曲を。

そしてダイアナ・クラールのポップス・カヴァーアルバム“Wall Flower”(2015)から、ママス&パパスの名曲‘California Dreamin'’
原曲のメロディーを崩さずに、かつしっとりとした雰囲気で歌っていました。

お次は、大スタンダードナンバー‘These Foolish Things’の聴き比べ。
〜口紅のあとがついた煙草とかロマンチックな場所への航空券とか・・・
 こんなつまらないものがあなたを思い出させるの。。といった歌詞がついています。
私の手元にあるCDでも、レスター・ヤング、レニー・トリスターノ、チェット・ベイカー、スタン・ゲッツetc. が演奏していて、ビリー・ホリデイ、サラ、エラ、カーメンも歌っています。

今回聴いたのは、ジョニー・グリフィン(ts)が1956年に録音した名盤“Introducing Johnny Griffin”から。
この時彼は27才。女々しい歌詞の曲なのに、ソロが男らしくてダイナミックなのが面白い。
ミュージシャンはウィントン・ケリー(pf)、カーリー・ラッセル(b)、マックス・ローチ(ds)。

次いでジャッキー・マクリーン(as,ts)が1957年に録音したアルバム“Long Drink of the Blues”から。
ミュージシャンはマル・ウォルドロン(p)、アーサー・フィップス(b)、アーサー・テイラー(ds)。

そしてスウェーデンの女性ヴォーカリスト、イザベラ・ラングレン(Isabella Lundgren)が、同じくスウェーデンのSweet Jazz Trioのアルバム ”WHY TRY TO CHANGE ME NOW ”(2013)で歌っているバージョン。
高い音域の声が澄んでいるのが印象的でした。

最後の聴き比べは「リー・コニッツの最初と最後」
1949-1950年に録音された名盤“Subconscious-Lee”からタイトル曲を。
そしてLee Konitz&Walter Lang Trioのアルバム“Someone to watch over me”(2011)から「枯葉」。
ウオーター・ラングはドイツ人のピアニストです。

聴き比べって色々な視点からできるんですね。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by ありあ at 04:48| Comment(0) | ジャズ聴き比べ

2016年10月18日

ヴォーカリーズならキング・プレジャー?!

先日このブログで紹介しましたが、キング・プレジャーのヴォーカリーズの曲を歌っていたカーリン・クロッグのアルバムを聴いてから、しばらくKing Pleasure (1922 –1981)をまとめて聴いていました。

1952〜1954年に録音された“King Pleasure Sings / Annie Ross Sings”は、彼が共演した多彩なヴォーカリストとのセッションを集めた興味深いアルバムです。

ベティ・カーター、ランバート・ヘンドリック&ロス結成前のランバートシンガース、ジョン・ヘンドリックス、エディー・ジェファーソン、ブロッサム・ディアリーに加え、アート・ブレイキーが参加しているアニー・ロスによるセッションも追加されています。
豪華なメンバーですこと。。。。。。

41GJ5YPQPJL.jpg


キング・プレジャーは、サックス奏者ジェームズ・ムーディのソロにエディー・ジェファーソンが歌詞をつけた‘Moody's Mood for Love’を、エディーよりも先に録音してヒットさせたことから、ヴォーカリーズの開祖と呼ばれた人。

同名のアルバムに入っていたキング・プレジャーの歌とエディーを聴き比べてみると、キング・プレジャーの方がピッチが確かで歌の巧さが際立っているような・・・・。

その中で何度も繰り返し聴いたのは“Golden Days“という1960年に録音されたアルバムに収録されていた‘All of Me’。
イリノイ・ジャケーというテナーサックス奏者の演奏をヴォーカリーズしているとのことでしたが、You Tube で元の演奏と聴き比べると、彼が吹いているフレーズにぴったりあった歌詞がうまくあてられていて、勉強になりました。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by ありあ at 02:31| Comment(0) | お勧めCD/ミュージシャン

2016年10月16日

サラ/エラ/カーメンのNEW DISC

今年に入って、国内で新たにリリースされたCDをいくつか聴きました。

エラのCDは4月にリリースされた“Live at Chautauqua”。
1968年のコンサートの模様を録音していた音源が見つかってCD化されたとのこと。

カーメンのCDは7月にリリースされた“New York State Of Mind”。
1989年の横浜バードでのライヴ録音が復刻されたものです。

サラのCDは3月にリリースされた“Live at Rosy's”
ラジオ番組の元プロデューサーが所有していた放送用テープの中から、ニューオリンズのジャズ・クラブ“Rosy's”での1978年のライヴの様子を収めた2枚組です。

6月にリリースされたサラの“Dreamy”は、オーケストラをバックに1960年に録音されたアルバムの国内初CD化。

そんな中で最も聴き応えがあったのが、7月にリリースされた“Sarah+2”。
1962年録音の国内初CD化で、ギターとベースだけというシンプルな編成。
ミュージシャンはバーニー・ケッセル(g)とジョー・コンフォート(b)です。

ベースとのデュオで始まる1曲目の‘Just in Time’は、4分音符が続くフレーズでのサラの粘りのあるテヌートぎみのノリが印象的。
同じようなノリを、ミディアムswingのほかの曲でもところどころで聞くことができます。

バーニー・ケッセルはウエストコースト系のモダンジャズを代表する白人ギタリストの一人。
曲にあわせてバッキングのスタイルを粋に変えながら、サラの歌を支えています。

81d2UzCYgAL__SL1070_.jpg

そういえば、同じ頃のギターとベースだけをバックにしたサラのアルバムに、1961年録音の“After Hours”がありました。
ミュージシャンはマンデル・ロウ(g)とジョージ・デュヴィヴィエ(b)。
ベースイントロのアップテンポの曲も入ってはいますが、こちらのアルバムの方が全体的にゆったりとした曲調になっています。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by ありあ at 02:25| Comment(0) | お勧めCD/ミュージシャン

2016年10月14日

藤澤由二さんとDUO

10月13日(木)は、恒例になりました東京倶楽部本郷店でのライブ。
ピアニストの藤澤さんとの共演でした。

あっという間に秋になり、秋の曲の楽譜をあれこれひっぱり出す余裕がなかったのですが今回は新曲として‘Autumn Serenade’を歌いました。
コルトレーンと共演したアルバムでジョニー・ハートマンが歌っていた、ゆったりしたテンポのラテンの歌です。

藤澤さんはピアノソロで‘Eary Autumn’を弾いて下さいました。
アニタ・オデイが“Sings the Winners"で歌っていた美しいメロディのバラード。
私も去年の秋はいくどとなく歌っていたことを思い出しました。
あっという間に1年たって、また秋が巡ってきたことを感じました。

●IMG_0032_original.JPG●IMG_0139_original.JPG
撮影:古谷慎治

次回の東京倶楽部本郷店での藤澤さんとのDUOは、12月19日(月)です。
リクエストもありましたら是非。
楽譜を持って行きますので、超スタンダード以外の曲は、事前に曲名をお知らせいただけると助かります♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by ありあ at 17:22| Comment(0) | ライブのご報告

2016年10月10日

The things we did last summer〜ジャズヴォーカルお勧めレパートリー(4)

今年の夏も終わりましたね。
過ぎた夏の想い出を懐かしむ歌の中で私がよく歌うのが‘The Things We Did Last Summer’
「過ぎさった夏の想い出」というタイトルの、サミー・カーンという作詞家の歌です。

二人で乗ったボート、夏祭り、早朝のピクニックと突然の雨。
恋人どおしのきらきらした青春の日々が、映画の一場面のように切り取られて描かれています。
なので私も歌うときには、情景を一つ一つ頭に思い描きながら、歌詞を大切にして歌っています。

ジョー・スタッフォードやシナトラなど、多くのシンガーが歌っていますが、私が好きなのはチャーミングな歌声のビヴァリー・ケニー。
1954年頃に録音された "Snuggled On Your Shoulder"というアルバムに入っています。

切ない初恋を思い出すときの胸の痛みが表現されているような可憐な歌声。
曲調と歌詞にあった声色で歌うことの大切さにあらためて気づかされます。

718Jt8F9SqL__SL1230_.jpg


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

2016年10月09日

オリジナリティあふれる実力派:マデリン・イーストマン〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(3)

あまり知られていないかもしれないのですが、是非聞いていただきたいのが、私が好きなヴォーカリストのMadeline Eastman (1954 - )
私もこんな風に歌えるといいな。。。と憧れているヴォーカリストです。

マイルスやショーターを聞きこみ、ヴォーカリストではカ−メン・マクレエの影響を受けたというだけあって、フェイクが巧みですし、軽やかなスキャットやジャズマンによる名演のヴォーカリーズなど、どんなスタイルの歌も完璧。
スタンダード曲のアレンジも勉強になります。

CDはどれを買ってもハズレがないのですが、1991年録音の“Mad about Madeline”は、フィル・ウッズやシダー・ウォルトンが参加していて、演奏も聴き応えあり。
お勧めの曲はマーク・マーフィーとのデュエットによる‘You're the Dangerous Type’。ボブ・ドローの曲です。
ヴォーカリーズでは、マイルスやフィル・ウッズなど多くのミュージシャンが取り上げている‘Freedom Jazz Dance’。

MKCD1003.jpg

1994年のアルバム“Art Attack”には、ケニー・バロンやトニー・ウイリアムスが参加しています。
変わったところではモンクの‘Evidence’やショーターの‘Nefertiti’といった曲も。

XATW-00058444.jpg

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by ありあ at 03:50| Comment(0) | ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱

2016年10月08日

シーラ・ジョーダンへのリスペクトアルバム“Answer July”

シンガーソングライターの大江千里氏が、ジャズ修業のためニュースクールへ留学・渡米したのが2008年、当時47才だったそうです。
卒業後ジャズピアニストとしてデビューしていましたが、去る9月7日にリリースされた4作目になるこのアルバムは、全編がヴォーカルものです。

71O1hhfYLaL__SL1186_.jpg

シーラ・ジョーダンをイメージして彼が全曲を書き、シーラのみならず、彼女を敬愛するヴォーカリストが集結して歌を披露。
歌詞もヴォーカリストが担当し、このうちジョン・ヘンドリックスが3曲の詩を書いています。
自らもシンガーソングライターだった大江氏の思いとアイデアがつまったアルバムです。

印象に残った曲は
ジョンが詩を書きシーラが歌っている‘Mischivous mouse’。
イタズラネズミがダンスを踊るという可愛い歌詞が、自由に歌うシーラのキュートな声にぴったり。

日本版にはボーナス・トラックとして、平麻美子ちゃんが‘Kumamoto’という日本語の歌を歌っていました。
スモーキーな声が想いに溢れていて胸を打ちます。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

posted by ありあ at 02:42| Comment(0) | お勧めCD/ミュージシャン