彼女のソロ・ヴォーカルアルバムでCD化されたものをコレクションし、年代順に聴いてみましたので、お勧めをご紹介します。
彼女は声が可憐なことで有名ですが、それだけではありません。
澄み切った声が見事にコントロールされていて。
繊細な表現にぞくぞくさせられます。
ヴァーブレコートから出された初期のアルバム“Blossom Dearie”(1957年)や“Once Upon a Summertime”(1958年)が名盤とされていますが、聴き応えがあるのはそれより後の時代のライブ盤ではないでしょうか。
“Sweet Blossom Dearie”(1967年)は、彼女のピアノによるトリオで、ジャズクラブ、ロニースコッツでのライブ録音。
Peel Me a Grape、You Turn Me On Baby、Big City's for Me、彼女のオリジナルSweet Georgie Fameなど。
知られたスタンダードではないけれど、レパートリーにしたい魅力的な曲がたくさん収録されています。
自分の個性を活かせる選曲が巧みです。

“Winchester in Apple Blossom Time ”(1977年)は、1曲のみロン・カーターとのデュオですが、残りは全て一人でピアノの弾き語り。
ぴんと張り詰めた空気の中で、大切な宝物をそっと手渡されたようなイメージの演奏。
ピアノのヴォイシングの美しさが際立ちます。
ベースとのDUOを堪能したい方は“Me and Phill”。
1993年のメルボルンでのライブ収録で、フィリップ・スコージーのベースが彼女のピアノにアクセントを添えています。
自分の好きな作品を録音したいと、彼女は49歳の時に、自身のインディーズ・レーベルDAFFODIL RECORDSを立ち上げました。
ブラジルの雰囲気にあふれた新たなアプローチのアルバム“Blossom's Planet”をリリースしたのは76歳の時。
私にとっての「ブロッサム・ディアリー」はストイックなジャズ・ミュージシャンというイメージです。

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