1曲目の I Say a Little Prayerは、アレサ・フランクリンやディオンヌ・ワーウィックも歌っていたバカラックの曲。
ニーナもかつては軽快なアレンジでレコーディングしていましたが、今回はゴスペルを思わせる慈愛に満ちた歌声で、全く別の曲のようでした。

HPによれば、今回のアルバムは2018年から2020年の間に録音されたのですが、その間に、40年連れ添った彼女の夫がALSで2019年に亡くなられたとのこと。
今回のアルバムでは、2人の思い出に満ちた曲が選曲されているそうです。
タイトル曲Time Travelerはニーナのオリジナル。
アルバムにはこんな言葉が記されていました。
〜歌は、誰も行ったことのない場所に連れて行ってくれたり、過去の大切な時に瞬時に戻ることができる時間旅行(time-traveling)の宇宙船のようなもの。
それぞれの曲が時空を超えて、過去と現在が一体となった、永遠の愛に満ちた場所へと私を誘ってくれるのです。
彼がこれらの曲を聴いて、人生の終わりに得られた光の中で微笑んでくれたことに、感謝しています。
Moon RiverやTime After Timeといったスタンダードを聴いていても、アルバムに込められた彼女の思いが重なって、これまで意識したことがなかったような大きくて力強い愛の言葉が、それぞれの歌詞に込められているように感じました。
ギターとのDUOによるスタイリスティクスの You Make Me Feel Brand Newやマービン・ゲイのメドレーも。多彩な選曲で、私たちも懐かしい時間旅行が楽しめます。

にほんブログ村

ジャズランキング