2021年11月05日

scatが驚異的な実力派:ナンシー・キング〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(21)

1940年にオレゴン州ポートランドで生まれたNancy King。
このブログではグラミー賞にノミネートされたアルバムをちょこっと紹介しただけになっていました。

彼女はなんといってもスキャットが素晴らしい。
声域も広くて、低音部で歌っていたメロディ−ラインが急にオクターブ上に飛んで展開されたり、また低音部に戻ったり・・・するけれども、その跳躍がとても自然で。
こういう歌い方、あまり聞いたことがない気がします。

日本ではあまり知られていない歌い手かも知れませんが、私はAccuRadio というインターネットラジオではじめてこちらのアルバムを聴いてからファンになりました。

MAX JAZZから2006年に出された“Live at Jazz Standard”。
今回、彼女のアルバムを年代順に全て聞き直してみたのですが、最もお勧めなのもこのアルバムでした。

ノーマウィンストン、カートエリング、ジャニス・シーゲルなど、私が大好きなボーカリストと共演しているピアニストのフレッド・ハーシュとのDUOによるライブ盤。

この日にはじめて会った二人は、リハも打ち合わせもなく、ライブの途中で曲、キー、テンポを選んで演奏していったそうで、ナンシーに連絡せずにフレッドがライブの模様の録音を依頼した結果、この日の演奏が晴れて日の目をみることになったそうです。

スタンダードばかりなのでどの曲も彼女の自由な解釈が堪能できてお勧め。
ソロピアノにも定評があるフレッドの歌心溢れる演奏も美しいです。

圧巻は最後の曲Four。
ランバート・ヘンドリックス&ロスによるヴァージョンを使ってテンポを若干落としているのですが、そのテンポが抜群のグルーヴ感を生み出しているように感じました。

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そのほかのアルバムで面白かったのは、1999年にKing and Moore名義でCardas Recordsから出された“King on the Road”。
グレン・ムーアはそれまでのアルバムでもナンシーと何度も共演しているベーシストです。

このアルバムにも収録されているグレンとお連れ合いのキャサリンとの共作による楽曲を、ナンシーは幾度もレコーディングしているのですが、このアルバムがお勧めなのは、サックス奏者のロブ・シェプスが加わったベース、サックス、ヴォーカルというユニークな編成による個性溢れたアレンジ。

ジャズファンでよかったと思える至福の時間に感謝しました。。。。。

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posted by ありあ at 18:09| ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱