2023年02月07日

エラのライブ・アルバムが新しく出ました

このほど発売された“Live at Montreaux 1969”は、エラ・フィッツジェラルドがモントルー・ジャズ・フェスティバルに初めて出演したときの模様を録音したもの。
2005年にDVDでリリースされていたものが、ユニヴァーサル・ミュージックから世界で初めてこのたびCD化されたそうです。
共演はトミー・フラナガントリオ。

この時のエラの年齢は50代前半ですが、声ののびもドライブ感も絶好調。
ビートルズのHey Jude、クリームのSunshine of Your Love、ディオンヌ・ワーウィックのThis Girl's In Love With Youといったポップスをアレンジした選曲が特徴的。
合計14曲が収録されていますが、この年に発売されたアルバム“Sunshine Of Your Love”の曲が中心になっていました。

必聴なのはこのうちのScat Medley。
One Note SambaやTisket-A-Tasketなどのテーマをはさみながら次々とスキャットしていくのですが、バンドそっちのけでアカペラで延々と歌っていくところも。

どの曲も迫力満点。バラードは限りなく美しく。
オーディエンスを盛り上げるとはどういうことか、とても勉強になりました。
歴史に残る名盤です。

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posted by ありあ at 15:20| お勧めCD/ミュージシャン

シーラ・ジョーダンの最新作は?

昨年発売された“Live at Mezzrow”はNYのライブハウスMezzrowで2021年に録音されました。
パンデミックで多くの店が閉鎖される中、支援者の寄付が必要以上に集まり、「Smalls LIVE Living Masters Series」というシリーズが実現して、その第1作となったのがこちらです。

この時シーラは93歳!
いくつかのアルバムで共演しているピアニストのアラン・ブロードベント、彼女とのDUOアルバムで有名なハーヴィー・Sといった、ドラムレスでの演奏です。
シーラの歌のうちLucky to be me以外は、いずれもこれまでの彼女のリーダーアルバムに収録されている曲でしたが、気心の知れたミュージシャンとの円熟したステージが楽しめます。

驚いたのはそのタイム感覚。
はじめは語るように歌っていても、自然にリズムに乗せてくる。
スキャットも現役そのもの。
いくつになってもその年齢に応じたswingの仕方があるのだ、ということを教えてもらいました。

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posted by ありあ at 14:43| お勧めCD/ミュージシャン

2023年02月02日

今回のグラミー賞ノミネートアルバムは?(続)

ブログで紹介してこなかった2枚のアルバムはこちらです。

カーメン・ランディのFade To Black
彼女の16枚目のアルバムが昨年に引き続いて今回もノミネートされました。
マルチな才能にあふれる彼女は、今回も全11曲の曲作りとアレンジに加え、アルバムのデザインを担当しています。

このアルバムは、パンデミックの最中に亡くなった家族の思い出に捧げられたものだそう。「これらの曲は、この大きな喪失、悲しみ、癒し、そして私たち全員にとってより明るく、より包括的な未来への希望を反映してます」と述べたカーメン。
今回もメッセージ性のある歌詞がつけられています。

彼女の書くメロディー・ラインはソウルフルで、印象的に耳に残ります。
スモーキーで深い声質ともよくあっていて。。。。
ジュリアス・ロドリゲスのピアノ、テレオン・ガリーのドラムスも聴きごたえ有り。
最後から2曲目の Reverence のホーン・アレンジもグルーヴィーです。
オリジナル曲ばかりなので最初はとっつきにくいかもしれませんが、聴くたびに演奏の深さがより味わえるはずです。

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セシル・マクロリン・サリヴァントのGhost Song
これまでに幾度もグラミー受賞の栄誉に輝いているセシル。
今回のアルバムは、名門Nonesuchへの移籍第一弾となる作品です。

今回は亡霊やノスタルジア、憧れをテーマにしているとのこと。
全12曲のうちオリジナルが7曲ですが、カントリー調やミュージカル調だけでなく独特の節回しを持つアイルランドのアカペラ唱法を駆使した曲も。
ハイトーンの歌声が美しいです。
使われている楽器もバンジョー、ピッコロ、教会のパイプオルガンなど多彩。
パーカッション奏者は小川慶太さんでした。

私が好きになったのはObligationという1分半の短い曲
〜罪悪感で交際していたら? それは愛ではなくてプレッシャー〜
といったメッセージを、セシルの歌とピアノトリオの演奏で一気にたたみかけていきます。

授賞式は日本時間の2/6です。受賞するのはどのアルバムでしょうか。

2/6追記 サマラ・ジョイが受賞しました。

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posted by ありあ at 20:14| お勧めCD/ミュージシャン

2月のホットペッパー

2月1日(水)は池袋のホットペッパーで佐藤ミドリピアノトリオの皆さんとライブでした。
ベースはうのしょうじさん。ドラムスは宮一佐知生さん
久しぶりのお客様、はじめましてのお客様。喜んでいただけて嬉しかったです。

今回の新曲は 3曲でした。

Dat Dereはボビー・ティモンズの曲にオスカー・ブラウンJrが歌詞をつけたファンキーな曲。
大好きなシーラ・ジョーダンもよく歌っています。

Dat Dare は that there の舌足らずな発音。
ママあれなに? あの人誰? あのゾウさんちょうだい?と小さな子どもが質問ぜめ。
それでもできる限りこの子の知りたいことを教えてあげよう、というママの気持ちが歌われています。

スティービー・ワンダーのDo I Doは彼の楽曲の中で私が最も好きな曲。
Original MusiquariumTに収録されていますが、なんとディジー・ガレスピーのアドリブ・ソロを聴くことができます!

ごきげんな2曲を持ち歌にできたので、これからも歌い込んで、ピアノトリオの演奏でも抜群のノリで歌えるように、歌い込んでいきたいと思います。

そしてカーペンターズのFor All We Knowをゆったりとしたボサノバで。

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ビニールシートの中での演奏、換気もばっちりで安全安心の感染対策。
写真撮影は古谷慎治さん。

次回のホットペッパーのライブは3月9日(木)です。
リクエストがありましたら事前に私あてご連絡いただければ当日楽譜を持参します。
皆様のお越しをお待ちしています。

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posted by ありあ at 12:59| ライブのご報告