2015年10月15日

フェイクの女王:カーメン・マクレエ 〜はじめて聴くジャズボーカル(7) 

はじめてジャズボーカルを聴く方のために私なりに選んだボーカリストとCDのご紹介。
第7回目はCarmen McRaeです。

彼女の歌の聴きどころはフェイクの巧みさではないでしょうか。
原曲のメロディが見事に崩されていても、歌詞が丁寧に歌われているので、語られている物語が目の前に見えるかのようです。

お勧めしたいのは、1972年のライブ盤 "The Great American Songbook"
アメリカが産んだ偉大な作曲家達の歌が盛りだくさんなので、ジャズの曲をあまりご存じない方でも楽しんでいただけると思います。
そしてこのアルバムでも、ギタリストのジョー・パスがしっかりとからんでいます!
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1曲目はデューク・エリントンのサテンドール。
多くのシンガーが歌っているお馴染みの曲ですが、ここではゆったりとしたベースとのデュオで始まります。
テンポが変わればノリ方も変わるし、メロディも自ずと変わっていきますよね。
このアルバムは、私の好きなミディアム・テンポの4ビートで演奏されている曲が比較的多いのですが、
どんなテンポやリズムで歌うのか、どんな楽器と歌うのか、どこからフレーズを歌い始め、どこまで声を伸ばして余韻を保つのか。
この記事を書くにあたって、手元にあったカーメンのアルバム40数枚ほどをあらためて聞いてみたのですが、
ボーカリストとして彼女の歌から学ぶことが多く、私自身も気づかないうちに影響を受けていたことにあらためて気づかされます。

カーメンは80年代に入ってからも素晴らしいアルバムを数多く出していますが、
次にお勧めする1枚は、1957年の"After Glow "を選びました。
この時期のカーメンは声がつややかでビロードのよう。
しかも演奏はレイ・ブライアントのトリオです。
中でも2曲目の‘Guess Who I Saw Today’は、語っている主人公が目に見えるようで
聞く度に目元がうるうるしてしまいます。
どんな歌なのか、是非一度聞いてみてくださいませ。

カーメンから影響を受けたシンガーに、私が好きなキャロル・スローン(Carol Sloane)がいます。
“Songs Carmen Sang”(1995)というカーメンに捧げたアルバムもありますし、どのアルバムもはずれなしでお勧めです。

posted by ありあ at 03:22| Comment(0) | はじめて聴くジャズボーカル
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