2015年12月07日

クールな中の情熱:クリス・コナー〜はじめて聴くジャズ・ボーカル(9)

はじめてジャズボーカルを聴く方のために私なりに選んだボーカリストとCDのご紹介。
第9回目はChris Conner(1927-2009)です。

彼女の歌は、抑制がきいてよくコントロールされたハスキーな歌声で知られています。
はじめにお勧めするのは名盤と言われている"Sings Lullabys of Birdland"(1954)。
スタン・ケントン楽団から独立し、ベツレヘムというレーベルに吹き込みをしていた頃の曲が収録されているアルバムの中でも、比較的なじみ深いスタンダートナンバーが収められています。

中でも「バードランドの子守歌(‘Lullaby of Birdland’)」でのリズムのノリ方はクールで素敵。
例えば‘Have you ever heard two・・’とか‘Flying high in birdland’といった歌詞のところ。
はじめてジャズを歌う方は、タッカタッカタンタンとはねたリズムで歌いがちですが、彼女は全体的に音価(音の長さ)を長くとり、youやeverのverのところ、Flyingのingや high inのinのところにアクセントをつけて、ジャズ特有のswingのリズムを歌詞で表現しています。
クリス1.jpg

この時代のアルバムでは、息をたっぷり吐くハスキーな歌声を聴くことができますが、アップテンポな曲で声を張り、クリアに声を共鳴させている歌を聴くことができるアルバムもあります。
また彼女は、原曲を崩さずにストレートに歌う歌手だとも言われていますが、ライブではメロディを思いっきりフェイクしてホットに歌ったりもしています。

その意味でお勧めするCDは、ギターのケニー・バレルがメンバーに加わっている“Chris In Person”(1959)。
大スタンダードの‘Misty’を聴いていただくとわかりやすいですが、小節のbarをまたいだたっぷりとしたフレーズを歌っていたかと思えば、フレーズの最後はうまくバンドの演奏に追いついて巧みにまとめているところが圧巻です。
クリス2.jpg

この記事を書くにあたり、手元にあった25枚のCDを、例によって年代順に聴いていったのですが、派手にスキャットをしなくても、どのように歌えばジャズになるのか、彼女の歌からあらためて教えられました。
聴きながら、このフレーズはおいしい!というところは、コピーして一緒に歌いながら順に聴いていったのですが、これからジャズ・ボーカルを勉強しようという方にも、是非聴いて味わっていただきたいシンガーだと思います。

‘クリスの歌が好み’という方には、クールな唱法の中の技が光るアイリーン・クラール(Irene Kral:1932-1978)はいかがでしょうか。
例えばジュニア・マンス・トリオとの“Better than Anything”(1963)。
この中のタイトル曲や‘The Meaning of the Blues’は、私好みの曲です。
アイリーン.jpg


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posted by ありあ at 01:37| Comment(0) | はじめて聴くジャズボーカル
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