第14回目はLambert, Hendricks & Ross(1957 – 1964)。
無性にジャズが聴きたくなる時に、私が最もよく聴くのが彼らのCDです。
デイヴ・ランバート、ジョン・ヘンドリックスとアニー・ロスの3人がメンバー。
Vocalese というのは、ジャズの演奏用に作られた曲やジャズ・ミュージシャンのアドリブのパートに歌詞をつけて歌う歌唱法を指します。
彼らがすごかったのは、カウント・ベイシー楽団のアンサンブルをコーラスにしてしまったこと。
ソロのパートだけでなく、トランペットやトロンボーン、サックスといったアンサンブルのところにも歌詞をつけて歌っちゃうんですから!
多重録音を重ねた末の作品がこちら。“Sing A Song of Basie”(1957)
新しいアプローチの音楽を追究していく発想の自由さに、ジャズミュージシャンとしての魂が感じられます。

はじめて聴く方へのお勧めCDならこちら。"The Hottest New Group In Jazz"(1960)
サマータイムとかモーニンとかチュニジアの夜といったおなじみの曲が入っています。

ヴォーカリーズを聴くくらいなら、ジャズ・ミュージシャンのオリジナルを聴いた方がいいという方もいるかもしれませんが、オリジナルの演奏と聴き比べることで、ヴォーカリーズならではの楽しみ方ができると思います。
楽器ごとの音の特徴をこんな風に人間の声で表現できるのか!とか
こんなジャズのフレーズにはこういった歌詞や単語が馴染むのか!とか、色々な発見ができますよ。
彼らのアルバムは、超高速のスキャットの応酬もあってスリリングなのですが、声の質や歌い方が荒いものもあるので、ハーモニーの美しさを聴かせるタイプのコーラスを聴きたいと思う方は少し面食らうかもしれません。
しかしながら、ジャズ特有の疾走感や躍動感(ドライブ感といった方がいいのかも。。。)を感じることができるのは、このグループ以外にないのでは?と思うのです。

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