第15回目はThe Manhattan Transfer。
前回ご紹介したランバート・ヘンドリックス&ロスの影響を受けたコーラスグループです。
1972年に結成されていますが、全盛期のメンバーは、
リーダーのティム・ハウザー(1941- 2014:没後はトリスト・カーレスが参加)
アラン・ポール(1949 - )、ジャニス・シーゲル(1952 - )と シェリル・ベンティーン(1954 - )。
かなり昔に「ブランデー 水で割ったらアメリカン」というコピーのCMで、‘American Pop’という曲(1983年のアルバム“Bodies and Souls”に収録)を歌っていたのを、記憶している方もいらっしゃるかもしれません。
アンサンブルが美しくコーラスの技術は完璧、アレンジも素晴らしく、ステージングも華麗。
グラミー賞を何度も受賞し、ジャズ・ヴォーカルの枠を超えたあらゆるジャンルの作品を残しています。
その中で、ジャズの楽曲を中心に集めた主なアルバムとしては・・
1985年の“Vocalese”。文字通りのタイトルですね。
ジョン・ヘンドリックスが歌詞をつけ、ディジー・ガレスピー、トミー・フラナガン、マッコイ・タイナー、レイ・ブラウン、ロン・カーターといった蒼々たるメンバーが加わっています。

1997年の“Swing”。
こちらはグレン・ミラーやベニー・グッドマン等、1930〜1940年代のスゥイングのスタイルの曲。
ベースのレイ・ブラウンやヴァイオリンのステファン・グラッペリが加わっています。
そしてなんとチック・コリアの曲を集めた2009年の“The Chick Corea Songbook”!
手元にあった21枚のアルバムを年代順に聴いて、はじめて聴く方のために今回選んだのは、1987年の“Man-Tora! Live In Tokyo”。
日本でのライブ盤なので、親しみやすい選曲です。
‘Root66’ ‘How high the moon'といったスタンダードナンバーや、ウェザー・リポートのヒット曲‘Birdland’のヴォーカリーズなど、マントラのCDでお馴染みの曲がいくつも収録されています。
ライブなのにこんなに演奏のクオリティが高いなんて驚きです。
マントラは、今のようにがっつりジャズを聴いていなかった頃、親しみやすくて良く聴いていたグループです。
久しぶりに今回まとめて聴いて、懐かしい青春時代の思い出がよみがえってきました。。。。
ジャズ・コーラスを更に聴きたい方にお勧めしたいのはNew York Voices 。
1989年に初CDをリリースしているグループです。
当初は5人でしたが現在のメンバーはDarmon Meaderら4人。
アレンジャーでありサックス奏者でもあるDarmon は、以前にこのブログで紹介したCD“THE ROYAL BOPSTERS PROJECT”でジョン・ヘンドリックスやアニー・ロスらと共演していた方です。
このグループもあらゆるジャンルの曲を歌っていますが、ジャズファンの方はマントラよりもこちらの方がお好みかもしれません。
‘Cotton tale' や‘Clondburst’といったヴォーカリーズの曲をランバート・ヘンドリックス&ロスと聴き比べるのも興味深いですし。
お勧めCDは“Sing Sing Sing”(2000)と“New York Voices Live”(2013)。
アカペラでジャズのサウンドが堪能できるのもジャズ・コーラスグループならでは。
前者のCDでは‘I'll be seeing you’、後者のCDでは‘Almost like being in love'が必聴です。

アカペラで歌ったヴォーカリーズの曲‘Farmer's Market'は、カウント・ベイシー楽団と共演したアルバム“Count Basie Orchestra with the New York Voices - Live at Manchester Craftsmen's Guild”(2005)に収められています。

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