2016年11月23日

クールな唱法が表現する温かさ:ピンキー・ウィンターズ〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(6)

このブログでも以前にアルバムを紹介したことがあるPinky Winters(1931- )。
今年85才になる大ベテランです。
かなり以前に、行きつけのジャズ喫茶「マイルストーン」の店主、織戸さんから、こんないいアルバムがあるよと教えていただいてからファンになりました。

そのアルバムが1954年、23才の時に録音したデビュー作の“Pinky”。
可憐でハスキーな声。アイデア満載のフェイクも巧みです。
‘This Can't Be Love'など自在にswingする曲が私好みですが、‘Cool Sazerac’といった珍しい曲も。

「クール・サゼラック」はカクテルの名前で、彼女がかつて一緒に活動していたアンディ・アレラノというドラマーが書いた曲らしい。
ブルージーなメロディラインにも関わらず、爽やかなハスキー・ヴォイスで歌っているので、明るさとほの暗さがミックスされた不思議な魅力に溢れたサウンドに仕上がっています。

ミュージシャンは、バド・ラヴィン(p)、ジム・ウルフ(b)、スタン・リーヴィー(ds)。
このアルバムが復刻された時に、ズート・シムス(ts)が入ったプライベート・セッション5曲と、このアルバムのためののリハーサル・セッション7曲が新たに加わっています。

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子育てで第一線から退いていた時期があったため、彼女のアルバムは数が多くないのですが、1980年代に復帰した後に出されたアルバムでは、低音域を活かした声に変わり、原曲のメロディを大切にしたストレートな唱法になっています。
彼女自身も「若い頃の歌を聞くと自分の歌とは思えない」と言っていたとか。

復帰後のアルバムは、シナトラやエラなどの歌伴を勤め、亡くなるまでピンキーのパートナーだったピアニストのルー・レヴィとの共演が多かったのですが。

私が好きなのは2001年録音の“Rain Sometimes”。
ミュージシャンは、リチャード・ロドニー・ベネット(p)とボブ・メイズ(b)。
リチャードの美しいピアノとのデュオによる曲が多くなっており、彼女の歌が持つ豊かな表現力が見事に発揮されている名唱ぞろいです。

バラードは言うに及ばず‘Little Did I Dream’のようなswingする曲が圧巻。
デュオではこんな歌い方をすればいいんだ〜と学ばされる事が多いです。

ルー・レヴィとのアルバム“Happy Madness”では、取り上げる曲のオリジナル版を研究しつくして演奏のアイデアを練っていたとのこと。
デビュー当時の自由な唱法のピンキーも好きですが、原曲の良さを活かした近年の彼女の歌も、曲への愛情あふれる温かさに満ちていて素晴らしいです。

彼女は日本にもしばしば来日しており、今週金曜に私も六本木・サテンドールでのライブを聴きに行ってきます。
終わりましたら、またこのブログでご報告しますね。

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posted by ありあ at 01:32| Comment(0) | ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱
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