2016年12月13日

英国出身の驚異的ヴォーカリスト:クレオ・レーン〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(7)

前回このブログで、ソプラノ・ヴォイスが美しい北欧のマルガリータ・ベンクトソンをご紹介しましたが、今回ご紹介する方も、驚異的な音域を誇るヨーロッパ・ジャズ界の歌姫。
ポピュラー音楽やクラシック音楽、ミュージカル女優としても活躍してきたCleo Laine(1927-)です。

シェイクスピアの作品に曲をつけた『シェイクスピア・ジャズ』(“Shakespeare and All that Jazz”)(1964)というアルバムが世界的な注目を集めた方で、あらゆるジャンルの音楽に秀でています。
私の手元にあるアルバムは19枚なので、彼女の作品のほんの一部ですし、レパートリーが幅広い分、どのアルバムもジャズ色が強いというわけではありません。

そんな中で、私が彼女のファンになったのは、1989年のアルバム“Jazz”を聴いたことがきっかけ。
ゲスト・アーティストとして、バリトン・サックスのジェリー・マリガン、トランペットのクラーク・テリー、ハーモニカのトゥーツ・シールマンスらが加わっており、ジャズのスタンダード・ナンバーの名演を楽しむことができます。
中でもジェリー・マリガンの曲‘Walking Shoes’やトゥーツ・シールマンスの曲‘Bluesette’での、それぞれのミュージシャンとの共演が聴きどころ。

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彼女の声はハスキーでジャズ向きなのですが、ここまで声がだせるの?と驚かされる高音域は美しいファルセット。
オペラ歌手のようなビブラートがかかっているわけではないので、Jazz Vocalではこんなファルセットで歌えばいいのか・・・と学ぶところが多いです。

ライブ盤でお勧めなのが、“Cleo Laine Live! At Carnegie Hall”(1974) 。
完璧にコントロールされた器楽的歌唱も彼女の歌の特徴で、このアルバムのお勧めの曲‘Perdido’は、アップテンポでアレンジもスリリング。
何度でも繰り返し聴きたくなる演奏です。

この曲のテンポをもう少し落とし、同じアレンジと歌い方で演奏している別のライブ盤もあります。
というのも、彼女の歌は多くが夫であるサックス奏者ジョン・ダンクワース氏のアレンジによるもの。
スキャットも多くの場合、楽器奏者の演奏とのユニゾンで、高音が出せる彼女の音域にあわせたフレイズが書かれているのだそうです。

即興による演奏だけが‘Jazz’を感じさせるわけではない。
リスナーにとって聴き応えがある‘Jazz’とは何なのか、考えさせられます。

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posted by ありあ at 22:46| Comment(0) | ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱
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