2017年02月24日

遅咲きの実力派:ルネ・マリー〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(9)

CD全部聴きからのお勧めピックアップ。
今回ご紹介するのは、先のグラミー賞にノミネートされた黒人女性ヴォーカリストRené Marie。
1955年生まれの今年61歳です。

祖国アメリカをテーマにしたアルバムなど、songwriterとしてユニークな自作曲を近年数多く発表していますが、私が魅力を感じているのは、多様な発声法を駆使した変貌自在な彼女の表現法。
ダイナミクス(音量の変化)も巧みです。

スタンダード・ナンバーを多くとりあげているアルバムで、それらの曲がどのようなアプローチで演奏されているのか聴いていくと興味深い発見ができます。
そのようなアルバムは初期のものが多いですが、お勧めはスタンダードが多く収められた Vertigo(2001)。

ベースとブラシワークだけのドラムをバックに巧みなスキャットを披露するThem There Eyes。
マルグリュー・ミラーのピアノとのDuoによるバラードが美しいDetor Ahead。
南部を歌ったアカペラのDixieからの、シャウトするStrange Fruitのメドレー。
公民権運動を支持するビートルズの曲Blackbirdでは、エキゾチックな雰囲気のリズムパターンによるアレンジが個性的です。

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ライブ盤では、ニューヨークの老舗クラブJAZZ STANDARDで吹き込まれた2003年のLive at Jazz Standardで、変化に富んだ演奏スタイルでアレンジされた曲の数々を聴くことができます。

Where or Whenのようなシンプルな曲は、楽曲の良さを出しにくいのですが(少なくとも私は)、彼女は曲のイメージを豊かに膨らませて表現の可能性を試しているかのよう。
ピアノとのDuoのI Love You Porgyではダイナミクス(音量の変化)が美しい。
アカペラによるBoleroからのメドレー、レナード・コーエンの曲Suzanneでは、Boleroのリズムパターンによるアレンジが面白いです。

子育てのために歌をあきらめていた彼女が、プロのヴォーカリストとして活動を始めたのが42歳の時。
活動を反対する夫と別れ、家を出てデビュー作を発表したのだそうです。

才能に溢れていたからこそ今の活躍があるのだと思うのですが、自分の人生の舵を大きく切る決断をした彼女の歌への情熱に、私も励まされます。

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posted by ありあ at 11:53| Comment(0) | ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱
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