2022年11月12日

サマラ・ジョイのメジャー・デビュー・アルバム

弱冠22歳にして圧倒的な歌唱力。
Samara Joyが名門Verveと契約してこのほどリリースしたアルバムLinger A whileを聴きました。

2019年にサラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ボーカル・コンペティションで優勝した彼女。
深いところからの発声はサラを思わせ、ベルベットのような声質は彼女が好きなカーメンのよう。しかも抜群のswing感。

このアルバムには、MistyやSomeone to Watch Over Me、'Round Midnightといったスタンダードナンバーも収録されていますが。
私が最も注目したのはファッツ・ナヴァロのNostalgiaのヴォーカリーズでした。

彼女はニューヨーク州立大学パーチェスカレッジを2021年に卒業しているのですが、インタビュー動画によれば、大学で受講していたジョン・ファディスによるトランスクライブの授業で心引かれたのが、ファッツ・ナバロのメロディアスなソロ。
歌詞をつけるようにとジョンから勧められたのだそうです。

ファッツ・ナバロへの敬意をこめた歌詞が綴られているのですが、のびのびと自然で、惚れ込んだ曲を楽しそうに歌っている様子が声を聴くだけで伝わってくるのです。

共演はパスカーレ・グラッソ(g)、ベン・パターソン(p)、デイヴィッド・ウォン(b)、ケニー・ワシントン(ds)。

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そんな彼女のファースト・アルバムは、昨年2021年にWHIRLWIND RECORDSというところから出されています。
こちらはギター・トリオとの演奏で、パスカーレのギター、アリ・ローランドのベース、ドラムスはケニー・ワシントン。プロデューサーはマット・ピアソン。
 
StardustやLover Manといった大スタンダードも収録されていますが、私がいいなと思ったのはアップテンポにSWINGする曲。

ギタートリオによる演奏だからでしょうか。1988年生まれ、イタリア出身のパスカーレによる超絶技巧に触発されてか、サマラの歌が気持ちよくノっているのです。
ビリー・ホリデイがゆったりしたテンポで歌っていたLet's Dream In The Moonlightや Everything Happens To Meといった曲のアプローチが新鮮でした。

サマラはスキャットをバリバリ繰り出すわけではないですが、フェイクが抜群にうまい。
これまで多くの偉大なシンガーが歌ってきた曲をより魅力的にしています。
彼女のTikTokも話題だそうで、ジャズ・ヴォーカルの新しい時代を担う逸材に今後とも注目していきたいと思います。

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posted by ありあ at 15:38| お勧めCD/ミュージシャン