来月でビリー・ホリディ生誕100年。
ビリーへのトリビュート・アルバム、"Coming Forth by DAY"をこの程出した
カサンドラ・ウイルソン(Cassandra Wilson)を聞きに、BLUE NOTE TOKYOへ行って来ました。
カサンドラはグラミー賞も2回受賞している現代最高のボーカリストとして知られていますが
ジャズにこだわらないオールジャンルの作品をリリースしてきたこともあってか、
これまで私は「お勉強」として聞く以外は、進んで彼女のCDを聞くことがありませんでした。
低い声質もちょって苦手。。。。
だけど今回の作品は、ビリーホリデイにまつわるスタンダード曲集だから、私の耳にも馴染むはず。
「お勉強」するためにライブの予約をし、事前にCDを聞き込んで会場に向かいました。
いわゆる4ビートの曲が全くなくて、全てがカサンドラの解釈で演奏されたCD。
このCDも私好みではないみたい・・・と思いながら会場に足を運びました。
3月18日のセットリストは次のとおり。
1. The Way You Look Tonight
2. Don't Explain
3. What a Little Moonlight Can Do
4. Crazy He Calls Me
5. You Go to My Head
6. All of Me
7. Good Morning Heartache
8. These Foolish Things
9. Last Song (For Lester)
10. Billie's Blues
11. I'll Be Seeing You (アンコール曲)
全てCDからの曲、CDと同じアレンジだったのですが、見事にノックアウトされました!
長めのイントロで楽曲の独特の世界観が表現された上に、ディープな歌声がかぶさり、
バンド・サウンドをやさしく包み込むよう。
R&B風のリズムの曲でも、彼女の譜割り(音符に対しての歌詞の付け方)で聞くと、まさに「ジャズ」そのもの。
私は彼女の歌の良さが全くわかっていませんでした。CDを聞いてもその凄さが聞き分けられなかったなんて。
楽曲に対する解釈やバンドの中でのボーカルの位置づけなど、彼女のライブから多くを学びました。
このCDのために書きおろされた "Last Song (For Lester)’は、ビリーを支えたサックス奏者レスター・ヤングが亡くなった時のエピソードを歌にしたもの。
ビリーをモチーフにしているのに暗さがなく、暖かな愛が感じられて、聞きながら涙がにじんでしまいました。
自分なりの解釈や表現方法、歌い方に自信を持とう。
独りよがりになってはいけないけれど、自分にとっていいと思えるサウンドの「良さ」を信じよう。
ジャズはこうでなければいけないという思い込みは捨てよう。
カサンドラのライブを聞いて、心の底からそう思いました。

ここで余談。ビリーホリデイが生まれた日がいつなのかについては所説があるそうです。
ある資料を見て「私の誕生日と同じ日じゃん!」と歓喜したこともあったのですが、本当のところは???