このブログでも既にお勧めを紹介していますが、高校でジャズ研に入った頃に聴きだしてからというもの、私が最も影響を受けたヴォーカリストです。
ここ数日彼女を偲んで、絶頂期のアルバム“Anita”(1955)、“Pick yourself Up”(1957)、“Anita Sings the Most”(1957)を繰り返し聴いていました。
この時期の歌唱は高音の澄んだ声が魅力。
オスカー・ピーターソンとの共演による“Anita Sings the Most”では、超高速な歌伴にも自然に溶け込んでswingしている‘Them There Eyes’がさすがです。
2009年に出されたドキュメンタリーDVD "Anita O'Day The Life or a Jazz Singer"では、彼女へのインタビューや貴重なライブ映像を見ることができます。
#こちらは、2008年度 サテライト・アワード ベスト・ドキュメンタリー賞というのを受賞した作品らしい。

ジーン・クルーパ楽団で、トランペッターのロイ・エルドリッジと歌っていた"Let Me Off Uptown’では、楽しそうに語り、踊ってミュージカルの舞台のよう。
‘感情を女優のように歌にのせる’歌手だというコメントもありました。
幼い頃に受けた手術の影響で、ロングトーンや通常のビブラートをかけるのが無理になったらしく、独自の歌唱法を生み出したアニタ。
自らを、歌手ではなく「ソング・スタイリスト」であると表現していたのも印象的でした。
彼女はミルドレッド・ベイリーやビリー・ホリデイのレコードを聴くだけで、ジャズ・ヴォーカルを身につけていったとのこと。
溢れる個性と、86才になってもニュー・アルバムを録音するジャズへの情熱。
私も情熱をもって研鑽を積み続けていかなければと、あらためて気持ちを引き締めています。

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