2016年09月09日

個性的な北欧の歌姫:カーリン・クロッグ〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(2)

ノルウエー出身のKarin Krog (1937 - )は、あらゆるスタイルの演奏に挑戦して個性を発揮するタイプのヴォーカリストです。
器楽的なアプローチによる前衛的な作品もあれば、ヴォーカリーズもある。
自由奔放なチャレンジ精神が刺激的です。

声が少しハスキーでcuteなところが私は大好き。
bopミュージシャンのデクスター・ゴードンやケニー・ドリュー、フリー・ジャズのアーチー・シェップといったタイプの違うミュージシャンとの共演や、スティーヴ・キューンとの一連の共演など、超大物ミュージシャンのプレイと一体となった演奏が楽しめるアルバムが多いのも魅力です。

その中から今回はスタンダードを集めたアルバムをお勧めとして選んでみました。
はじめに、彼女の2枚目のリーダー作“Jazz Moments”(1966)。
メンバーはKenny Drew(p)、Niels-Henning Ørsted Pedersen(b)、Jon Christensen(ds)、Jan Garbarek(ts)です。

1曲目は軽快にswingする‘I've Got Your Number’。
トニー・ベネットやペギー・リーも歌っていますが、カーリンのこのテイクのテンポが曲にとてもよくあっていて、一度聴くとしばらく耳に残って忘れられなくなるような歌い方です。

2曲目はバラードで‘Old Folks' 。
ロング・トーンを駆使してサビの部分を盛り上げていますが、声がcuteなので、重苦しくない。
さらりと語るように歌っていたかと思えばロングトーンで盛り上げていくダイナミクスが素晴らしいです。

61x5ZBfqRQL__SL1200_.jpg

次のお勧めは“I Remember You”(1980)。
ミュージシャンはWarne Marsh(ts)と Red Mitchell(b)です。
彼女は、楽器の音が人間の声に似ているからという理由でテナー奏者とよく共演しています。
先に紹介したアルバムのペデルセンもそうでしたが、技巧派のベーシストとの共演が多い気がします。

このアルバムで興味深かった曲は‘Lester's Happy’。
Lester Youngの名演で知られている‘Sometimes I'm Happy’をヴォーカリーズにした曲で、ヴォーカリーズの開祖と言われているKing Pleasure (1922 –1981)が歌っていました。

何年か前にスティーヴ・キューン・トリオと来日した彼女のライブを聴きにいったことがありました。
またそのような機会があったら嬉しいのですが、叶うでしょうか。。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by ありあ at 02:34| Comment(0) | ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱

2016年08月04日

マリーナ・ショウ “Who Is This Bitch Anyway?”〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(1)

ジャズ好きな方の中には、ヴォーカルのアルバムはちょっと・・・という方もいらっしゃるのでないかと思います。
このコーナーでは、‘ジャズ’ のアルバムとして聴き応えがあるお勧めをご紹介していきます。
Jazz vocalistが選ぶ名盤・名唱。
ジャズ評論家の方やリスナー歴が長いジャズファンの方のお勧めとは別の視点に立った、新しい発見がありましたら嬉しいです。

第1回目にご紹介するのは、Marlena Shaw の“Who Is This Bitch Anyway?”(1975)。
ジャズやソウルといったジャンルを超えて愛されてきた彼女が残した傑作です。

51CTsu6s1FL__SY355_.jpg

ジャズ・ファンクありバラードありで、アルバム全体の構成も素晴らしいのですが、私が特に好きなのはオープニングを飾るマリーナのオリジナル‘Street Walking Woman’。

3分間に及ぶ長い男女のチャットの後でようやくフェイド・インしてくるテーマは、16ビートと4ビートが繰り返される変化に富んだ構成。
彼女のような歌唱力がなければとうてい歌いこなせないだろうと思わされますし、どうしたらこんなにカッコいい楽曲が生まれてくるのだろうと、聴く度に感心してしまいます。

さて、あらためてご紹介するまでもないこちらのアルバムを今回取り上げたのにはちょっとしたワケがありまして。。。

体調を理由に引退するという彼女の最後の日本公演に、なんと私は先週行きそびれてしまったのです。 
今年73才なので引退も仕方がないのかもしれないですが、パワフルにはじける彼女のステージを二度と堪能できないと思うと残念でたまらず、ここ数日このアルバムを何度も繰り返し聞いていた・・・という次第。

今回のツアーも、このアルバムで共演したChuck Rainey(b) David T. Walker(g) Larry Nash (pf) Harvey Mason(ds)といったメンバーが一緒でしたが、アルバムではLarry Carlton(g)のからみも楽しめます。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
posted by ありあ at 03:26| Comment(0) | ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱