2023年05月05日

つややかな歌声のカーメンのライブ盤〜今日のジャズ喫茶(26)

早稲田のジャズ喫茶Jazz Nutty。
久しぶりに4月上旬にうかがった時、この時期のカーメンのライブ盤はめずらしいよね、とおっしゃってかけてくださったLPがCarmen McRae At The Flamingo Jazz Club。
1961年にロンドンのジャズクラブで録音されたものです。

1961年といえば私が好きな彼女のアルバムBook of Balladsがリリースされた2年後で、ピアニストもこのアルバムと同じドン・アブニー。
ライブでの演奏なのになんでこんなにつややかで繊細な歌声なの?と驚愕します。
アップテンポの曲も華やかで見事。
They Can't Take That Away From Meの粘っこいフェイクも頭から離れません。

持っていなかったアルバムだったので早速アマゾンで入手。
Carmen McRae In Londonというタイトルで1999年にCD化されていたものが購入できました。

カーメンのアルバムはチェックしていたつもりでしたが、調べたところ2000年代前後にリリースされたCD以降、コレクションが滞っていたことが判明。
新しいヴォーカストも次々出てきていますが、まずは名演をじっくり研究するところから次の一歩につなげることができればと反省しました。

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posted by ありあ at 21:24| 今日のジャズ喫茶

2020年03月11日

生誕90年の2人のミュージシャン〜今日のジャズ喫茶(25)

早稲田のジャズ喫茶Jazz Nutty。
しばしばお邪魔しているのですが、ブログを何度も書きそびれてました。。。。
店内はお客様でいっぱい。
3月は生誕90年のトミー・フラナガン(pf)とオーネット・コールマン(as)の特集です。

チャーリー・ヘイデン(b)の1976年のアルバム“closeness”では、彼のオリジナル曲を4人のミュージシャンと1曲づつDUOで演奏。
キース・ジェレットとのDUOに続いて収録されたオーネット・コールマンとの演奏(曲名はO.C.)では、空を飛ぶような自由なアプローチ。
漂っていると、エンディングでいきなりカットアウト!
空から地上にストンと落とされたような余韻が残ります。

トミー・フラナガンのアルバムは1993年録音の“Lady Be Good for Ella”
彼は60年代半ばから70年代にかけて、エラと共演したアルバムを数多く残していますが、このアルバムもエラにちなんだ曲ばかりを集めています。
ベースはピーター・ワシントン、ドラムはルイス・ナッシュ。
お店でかかったのは、
Oh, Lady, Be Good!、Love You Madly、Isn't It A Pity?、How High The Moon でした。

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フリーのアルバムを聴いてにやにや楽しんだあとにこういうアルバムがかかると、背筋が伸びて、早く家に帰って練習しなくちゃという気持ちになります。

次回はオーネット・コールマンのリーダーアルバムお願いします〜〜

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posted by ありあ at 02:51| 今日のジャズ喫茶

2019年10月04日

10月はアートブレーキー〜今日のジャズ喫茶(24)

早稲田のジャズ喫茶Jazz Nutty。
9月は御無沙汰してしまいましたが、10月のテーマは生誕100年のArt Blakey(1919年10月11日生)。

彼のアルバムは、聴いたあと必ず ああステキ〜とため息が漏れるくらい実は大好き。
家にはまともなオーディオがないので、大音量で是非聴きたい!と思い、早速行ってまいりました。

かかっていたのはモンクが1957年に録音した“Monk's Music ”から、Well, You Needn'tとRuby, My Dear。
ブレイキーのドラムソロ、いいですね。
かけ終わったあとマスターも「最高だなあ、やっぱりだなあ」と独り言おっしゃってました。

しか〜し! 私が聴きたいのはやはり彼のリーダーアルバム。
何かかけてとお願いしたところ、かかりましたのはArt Blakey & the Jazz Messengers、1964年録音の“Free for All ”でした。
こういう時にマスターがかけてくれるのは、やっぱりこれだよね〜という、推しのアルバムだと思うので要注目!

アート・ブレイキーのほかは、フレディ・ハバード(tp)、カーティス・フラー(tb)、ウェイン・ショーター(ts)の3管編成。
ピアノはシダー・ウォルトン、ベースはレジー・ワークマン(b)。

ブレイキーのこれでもかという激しいロールとか、ショーターの熱いソロとか、3管のサウンドの厚みとか、素晴らしい音響で聴ける至福の時間。
「ジャズ喫茶」が身近にあってよかった。。。ジャズファンでよかった。。。。と心の底から思える瞬間です。

今月はもう少し通って、3管編成時代のジャズメッセンジャーズのそのほかのアルバムも、堪能させていただくべくリクエストしたいと思ってます。

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posted by ありあ at 15:50| 今日のジャズ喫茶

2019年08月30日

8月はヴィクター・ヤングの曲を〜今日のジャズ喫茶(23)

早稲田のジャズ喫茶Jazz Nutty。
8月のテーマは8月8日で生誕120年のVictor Youngの作品でした。
My Foolish Heart、Love Letters、Golden Earrings、Around The Worldなど、映画音楽として作曲された楽曲の多くが、数多くスタンダード・ナンバーとして演奏されています。

この日かかったのは2000年にリリースされた“Jan Lundgren Trio Plays the Music of Victor Young”
ヤン・ラングレンは1966年生まれのスウェーデンのピアニストです。
このアルバムは、タイプの異なるゲストを迎えた多彩な演奏が楽しめるヴィクター・ヤングの曲集。
可憐な歌声でステイシー・ケントがA Ghost Of A Chanceを歌ったかと思えば
アーシーなヴォーカリスト、デボラ・ブラウンがStella By Starlightで奔放にスキャットし
当時72才だったテナー奏者ジョニー・グリフィンが切なくWhen I Fall In Loveを奏でる、といった具合。

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次にかかったのは、ビル・エバンスのThe Paris Concert (Edition One) からBeautiful Love。
エヴァンス最後のレギュラー・トリオによる1979年の録音で、私も愛聴しているアルバムですが、ジャズ喫茶の素晴らしいオーディオで聴くと、演奏の細部に至るまで心にしみます。

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posted by ありあ at 01:15| 今日のジャズ喫茶

2019年08月05日

7月はビリー・ホリデイ〜今日のジャズ喫茶(22)

早稲田のジャズ喫茶Jazz Nutty.
7月のテーマは、7月17日で没後60年になるビリーホリデイでした。

はじめにかかったのは25曲が収録されているBillie Holiday: Anthology Deluxe Edition
ラストレコーディングの後の最後のライブの模様が収められている貴重なアルバムだそうです。
共演はロイ・ヘインズのトリオ。
Nice work if you can get it
I love my man
Lover come back to meなど最晩年の歌唱にも関わらず抜群のフェイクが光っています。

テナー奏者ズート・シムズが1978年に録音したFor Lady Dayはビリーにちなんだ11曲が収められています。
共演者はジミー・ロウルズ(pf)、ジョージ・ムラーツ(b)、ジャッキー・ウィリアムス(ds)。
女性シンガーとの共演が多いジミー・ロウルズはビリーとも共演していたピアニスト。
歌心あるバラードが堪能できるアルバムです。

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posted by ありあ at 03:27| 今日のジャズ喫茶

2019年06月02日

6月はピアノがテーマ〜今日のジャズ喫茶(21)

早稲田のジャズ喫茶Jazz Nutty.
今月のテーマはピアノの演奏です。

私からリクエストをお願いしたのはアーマッド・ジャマルのアルバム。
かけて下さったのは1968年にヴィレッジ・ゲイトで録音されたライブアルバム
"Ahmad Jamal at the Top: Poinciana Revisited"でした。
彼の演奏は年代によって変わりますが、私はこの時期のアーシーで豪快な演奏が大好きです。

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ビル・エヴァンストリオのアルバムでかかったのは"Last Waltz: Final Recordings Live"
サンフランシスコのジャズクラブ・キーストンコーナー昼の部の演奏。
録音は1980年8月31日〜9月8日でエヴァンスが亡くなる2週間前だったそうです。

8枚組のアルバムにNardisだけで6回分もの演奏が収録されています。
死を目前にした最悪の体調の中、エヴァンスの壮絶な演奏に刺激を受けたのか、マーク・ジョンソン(b)とエリオット・ジグモンド(ds)がしっかりと絡んで、ともにダイナミックな演奏を聴かせてくれます。

一転してI love you,Porgyのエヴァンスのソロピアノは、切ない歌詞をピアノで歌い上げているようで、胸にせまりました。

エヴァンスのドキュメンタリー映画“Time Rememberd" 行きそびれてました。。。
もう6月。来週にでも時間をつくらないといけません。

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posted by ありあ at 00:30| 今日のジャズ喫茶

2018年02月11日

“LOVE”に溢れた名演は?〜今日のジャズ喫茶(20)

早稲田Jazz Nuttyの2月のテーマは“LOVE”がついた曲。
皆様はどんな曲を思い浮かべるでしょうか。
私の場合は、ビリー・ホリデイが歌うThe Man I Loveやシーラ・ジョーダンが歌うFalling in love with loveなんかが、とっさに頭に浮かびます。

この日最初にかかったアルバムは、リー・コニッツ(as)、チャーリー・ヘイデン(b)、ブラッド・メルドー(p)による1996年のライブ盤”Alone Together”からWhat Is This Thing Called Love? 
リー・コニッツの演奏を支えるヘイデンとブラッド・メルドーのバランスが絶妙のドラムレスのトリオです。

次いでジョン・コルトレーンの“Lush Life”からLike Someone In LoveとI love You。
ベースはアール・メイ、ドラムスはアート・テイラー。1957年の演奏です。
歌心にあふれたバラードでの演奏は、ピアノレスの編成なためか、シンプルな美しさが際立っていました。

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最後にビル・エヴァンスのアルバム“Time Remembered”から1963年のライブ録音What Is This Thing Called Love?
共演はチャック・イスラエル(b)とラリー・バンカー(ds)。

偉大なジャズマンの演奏による“LOVE”にちなんだ曲。
聴いているだけで、温かな気持ちにひたれました。
硬派なジャズ喫茶の選曲にハズレはありません。。。。

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posted by ありあ at 01:58| 今日のジャズ喫茶

2018年02月03日

好きなベーシストのアルバムは?〜今日のジャズ喫茶(19)

早稲田のJazz Nutty。
お店に着いたときにかかっていたのは、ブロッサム・ディアリーが1958年に録音した名盤“Once Upon a Summertime”でした。

JBLのいい音で聴くと、繊細な歌と演奏のすみずみまで心に染み渡ります。
The Surrey With The Fringe On Topは遅めのテンポでswingしていて超カッコイイ。
いつかブロッサム・ディアリー研究をしようとアルバムをコレクションしているのですが、なかなか時間がとれません。

Nutty1月のテーマは「私の好きなベーシスト」でした。
先月うかがう機会がなかったので、遅ればせながら2月に入ってお勧めをリクエスト。
かかったのは南アフリカのジョニー・ダイアニ(Johnny Dyani)、1978年の“Song For Biko”というアルバムでした。

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Bikoはアパルトヘイトの活動家だそうです。
彼に捧げるタイトル曲をはじめとして、全曲がフリー志向のオリジナル。
私の好きなミンガスの演奏がふと頭をよぎりました。
コルネットにドン・チェリー(Don Cherry)。
マカヤ・ンショコ(Makaya Ntshoko)のドラミングが刺激的でした。

私が好きなベーシスト。
真っ先に名前が思い浮かぶのはやっぱりミンガスかな〜〜

心が折れそうになるときも、Jazzが身近にあって本当によかったと思います。

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posted by ありあ at 01:23| 今日のジャズ喫茶

2017年12月04日

リー・コニッツのお勧めDuoアルバムは?〜今日のジャズ喫茶(18)

早稲田のJazz Nuttyで聴かせていただいた“Suite For Paolo”というアルバム。
アルト・サックス奏者のLee Konitzと、イタリアのピアニスト、ステファノ・ボラーニのDuoでした。
2002年の録音で、全曲が彼らのオリジナルですが、交互にソロをとったり、刺激的なインタープレイが展開されたり。

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スペーシーな演奏が私好みだとお話ししたところ、コニッツの別のDuoアルバムもかけて下さいました。

ニュージーランド出身のピアニスト、アラン・ブロードベントとのDuoによる“More Live-Lee”。
2000年に録音されたこちらのライブアルバムは、I Can't Get Started、How Deep Is The Ocean? などのスタンダード曲が数多く集録されています。

コニッツはDuoアルバムが多く、店主の青木さんもかなりの枚数持っておられるとのこと。
共演者が異なるアルバムを、まだまだ聴かせていただけそうです。

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posted by ありあ at 11:22| 今日のジャズ喫茶

2017年11月16日

秋の夜長に聴く曲は?〜今日のジャズ喫茶(17)

早稲田にあるJAZZ NUTTY。11月のテーマは“Night”がついた曲です。

チュニジアの夜、あなたと夜と音楽と、Night and day、The Night Has A Thousand Eyes、
Blues In The Night、Summer Night・・・頭に浮かんだ曲だけでも色々ありますが。

コルトレーンが1965年にリリースしたアルバム“Bahia”からは、Something I Dreamed Last Nightというバラード。
レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)の3人に、フレディ・ハバード(tp)が加わっています。
この曲、マイルスも“Steamin' ”の中で演奏していましたが、このアルバムもレッド・ガーランドとポール・チェンバースでした・・・。

カーメン・マクレエやサラ・ヴォーンの歌にはこんな歌詞がついています。
 恋人と別れたことが信じられなくて、部屋で待ち続けている主人公。
 “これは何かの間違いよ。きっと昨夜の夢が続いているんだわ”
 でもこれは残酷な現実だった。だって昨夜は夢をみなかったのだから。

せつない心情をそのままサックスの音色で表現しているような、歌心溢れる美しい演奏。
勉強になります。

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次いで、私もアルバムを色々コレクションしているエディ・ジェファーソン。
“Letter From Home”は1962年のアルバムですが、収録されているA Night In Tunisiaの歌詞は、私が覚えている歌詞と異なる彼独自のヴァージョンのもの。

店主の青木さんは、来店したお客様の好みを覚えていて、アルバムを選んで下さっているとのこと。
さすがです♪

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posted by ありあ at 23:11| 今日のジャズ喫茶

2017年10月21日

ジャズ・アルバムへの評価観が問い直される?〜今日のジャズ喫茶(16)

悪天候の週末でしたが、早稲田NUTTYへうかがいました。
今月のテーマはモンクです。

トランペッターのハンニバル・マーヴィン・ピーターソン(Hannibal Marvin Peterson)という人は、1970年代にものすごい人気で、オーナーの青木氏もライブに足を運んだとか。

この日はWell You Needn'tが収録されている1979年のアルバム"Tribute Hannival"がかかりました。
‘トランペットのコルトレーン’と呼ばれていたらしく、私好みのハードなブロウ。
ドラムとのDUOも圧巻でした。

そのほかのメンバーは、ピアノがマイケル・コクレーン(Michael Cochrane)、チェロがディードレ・マレイ(Diedre Murray )、ベースがエロール・ウォルターズ(Errol Walters)、ドラムスがマカヤ・ウンチョコ(Makaya Ntshoko)。

次いで、ピアニストのジャッキー・バイアード(Jaki Byard)という人。
Evidenceが入っている1968年の“Jaki Byard Experience’というアルバムがかかりました。

多様な音楽スタイルの曲がつまっていて、アルバムのコンセプトが一貫していない印象。
正直戸惑いました。
トラディショナルなスタイルもあれば、共演しているサックス奏者の演奏がアバンギャルドっぽかったり。
ジャケットを見に行ったら、ローランド・カークのサックスだと判明。
ちなみにベースはリチャード・デイヴィス(Richard Davis)、ドラムはアラン・ドーソン(Alan Dawson)。

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オーナーの青木氏いわく“ジャズのアルバムとは・・みたいな固定観念を持っていたら、こういうのを聴くと面食らうかも。。。”
自分の好みのものばかりを偏って聴いていたために、感じ方が狭くなっていたのかもしれません。
勉強になります。
普段聴いていないスタイルの演奏からも、演奏の素晴らしさが聴き分けられるような耳を持っていたいです。

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posted by ありあ at 22:39| 今日のジャズ喫茶

2017年10月09日

ジャズ喫茶で聴くサウンドの醍醐味は?〜今日のジャズ喫茶(15)

穏やかな秋の午後、高田馬場マイルストーンにうかがいました。

聴かせていただいたのは、チューバ奏者のレイ・ドレイパーがコルトレーンと共演した“The Ray Draper Quintet Featuring John Coltrane”。
1957年、彼が17歳の時のリーダーアルバムです。
モダン・ジャズでは珍しいチューバによる素朴なアドリブとコルトレーンの流れるようなアドリブの対比がおもしろい。

次いでマデリン・ペルーによる1996年のファースト・アルバム“Dreamland”。
ノスタルジックな曲調にビリー・ホリデイを思わせる声の伸びが特徴的です。
この日かかった彼女のオリジナル曲 Hey Sweet ManはギターとのDuoで始まるブルース。
演奏が進むにつれ、トランペットのソロやリード・オルガンのサウンドが立ち現れます。
ギターはマーク・リボー(Marc Ribot)、トランペットはマーカス・プリンタップ(Marcus Printup)。

最も印象に残ったのは、 2014年に88歳で亡くなったジミー・スコットが1994年に録音した“Dream”。
ジュニア・マンス、ロン・カーター、ミルト・ジャクソンといった大御所と共演したスタンダードアルバムです。
今まで彼のアルバムは、いわゆる「名盤」をわずかに聴いてきただけだったのですが。。。

独特の高音を活かしながら語りかけるように歌っていて、ミュージシャンの演奏とのバランスが絶妙。
vocalのよさがくっきり浮き出ているのです。
調べたところグラミー賞を数多く受賞しているTchad Blakeという人がmixerでした。
ジャズ喫茶のいい音で聴くからこそ、音作りの妙をしっかり味わうことができるんだなぁと感じました。

ジミー・スコットはいいよね!と店主の織戸さんも勧めてくださいましたので、少し研究していきたいなと思います。

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posted by ありあ at 22:07| 今日のジャズ喫茶

2017年10月07日

モンク生誕百年にちなんだ名盤は?〜今日のジャズ喫茶(14)

早稲田NUTTYの今月のテーマは、“NUTTY”の作曲者Thelonious Monkの特集。
1917年10月10日生れなので、生誕100年を記念して、お気に入りの演奏、カバー作品など、是非お持ち下さい、とのことでした。

この日にかかっていたのは、ポール・ブレイ(pf)、チャーリー・ヘイデン(b)、ポール・モチアン(ds)による1990年のアルバム“Memoirs”からMonk's Dream。
ヘイデンの柔らかく太いベースがブレイのピアノに絡んでいきます。

次はヴォーカリストにお馴染みの“Carmen Sings Monk”
カーメン・マクレエによる1990年のモンク曲集で、この日かかったのは
ライブによるStraigt No Chaser、スタジオ録音のRuby,My DearとWell You Need'nt。

モンクの曲をレパートリーに加えたいので、このアルバムは私も大切に聴いていたのですが。
これまではカーメンの歌にばかり気をとられ、ミュージシャンの演奏の素晴らしさにほとんど耳を傾けていなかったことに気づきました。

チャーリー・ラウズは、ライブ・バージョンのみの参加ですが、長年モンクと演奏活動を共にしていたテナー奏者。
スタジオ・バージョンに参加しているテナーのクリフォード・ジョーダンも、高音から低音まで、限りなく美しい音色を奏でています。
そのほかにもジョージ・ムラーツの躍動感にあふれたベース・ソロやアル・フォスターの歌いまくっているドラム・ソロなど。

あらためてじっくりといい音で全曲聴き直したいアルバムです。

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posted by ありあ at 20:17| 今日のジャズ喫茶

2017年08月30日

バリトン・ヴォイス 新たな発見?〜今日のジャズ喫茶(13)

早稲田NUTTYで貴重なVOCALアルバムを聴かせていただきました。
1978年に日本でリリースされたジョニー・ハートマンの“Live At Sometime”。
1977年、3度目の来日の時のライブ盤で、ミュージシャンはローランド・ハナ(p)とジョージ・ムラーツ(b)。
メンバーも素晴らしいです。

Summertime の歌い出しとエンディングでは、It Ain't Necessarily Soが登場するという粋なアレンジ。
My Foolish Heartはバラードですが、小節をまたいで大きくフレーズをとらえたスリリングな唱法でした。

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リラックスした雰囲気の中でのライブ。
彼のジャズ・ヴォーカリストとしての真骨頂を発見できたのは大きな収穫でした。
ほかのアルバムも色々聴いて、ジョニー・ハートマン研究がしたくなりました。

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posted by ありあ at 00:27| 今日のジャズ喫茶

2017年08月18日

夏は熱いジャズに限る?〜今日のジャズ喫茶(12)

時間ができたなら早く家に帰って練習しなくちゃ・・と思う心と
近くまで来たんだからやっぱり少し寄っていこうかな〜と思うココロ。
小さな葛藤の末、行きたい気持ちが抑えきれずに早稲田のJazz Nuttyへ。

扉を開けたとたん大音量で聞こえてきたのは、スタン・ゲッツ(ts)。
1971年、ロンドンでのライブ録音 “Dynasty” です。
フランス出身のエディ・ルイス(Eddie Louiss)のオルガン、ベルギー出身のルネ・トーマ(Rene Thomas)のギターが加わったカルテット。
これがゲッツ?と思わせるHotな演奏です。

次いでトランペッター、ウディ・ショウが1982年にライブ録音した“Master of the Art”。
当時のレギュラーコンボにボビー・ハッチャーソン(vib)がゲストで加わっています。
スティーブ・トゥーレ(Steve Turre)のトロンボーンもgood!

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硬派のジャズ喫茶が選ぶアルバムには、やっぱりハズレがないですね。

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posted by ありあ at 02:21| 今日のジャズ喫茶

2017年08月12日

夏の週末に聴く心震える名盤は?〜今日のジャズ喫茶(11)

お盆で都心も静かな週末。
高田馬場のマイルストーンにぶらり、うかがいました。

かかったのはテナー奏者チャールスロイド(Charles Lloyd)の初期のアルバム、
1965年の “Of Course, Of Course”。

ロン・カーター(b)とトニー・ウィリアムス(ds)、ギタリストにガボール・サボ(Gabor Szabo)。
ギターとテナーのDUOによるThe Things We Did Last Summerのインタープレイがスリリングでした。
夏の想い出の数々が次々よみがえってくるような演奏。

次いで6月に60歳で亡くなったピアニスト、ジェリ・アレンによる1989年録音のアルバム“Segments”。
チャーリー・ヘイデン(b)、ポール・モチアン(ds)とのトリオです。
バラエティに富んだ選曲の中で心惹かれたのはリリカルなI'm All Smiles。

いつまでも元気に演奏を続けていられるとは限らない。
そんな思いがよぎって、しんみりしてしまいました。

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posted by ありあ at 23:54| 今日のジャズ喫茶

2017年08月03日

“LIVE IN TOKYO”の名盤は?〜今日のジャズ喫茶(10)

早稲田NUTTYの8月のテーマは“LIVE IN TOKYO”です。

オスカー・ピーターソンの2枚組LP、“Oscar Peterson Trio In Tokyo, 1964”は Ray Brown(b)、Ed Thigpen(ds)を率いた、オスカーの黄金トリオの来日アルバム。
この日かかった曲はTonight、Fly Me To The Moon、Somewhereでした。
ため息が出るような超絶テクニック。
次回はほかの曲も聴かせていただきたいと思わずお願いしてしまいました!

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セロニアス・モンクのアルバムは“Monk in Tokyo”。
1963年に来日した際の録音です。
そのほかのメンバーは、Charlie Rouse (ts)、Butch Warren (b)、Frankie Dunlop(ds)。
どのミュージシャンもモンクの世界をシンプルに体現してくれていて、日本のオーディエンスにもわかりやすい演奏になっていたように思います。
この日かかった曲はStraight, No Chase、Pannonica、Just A Gigolo。

ジョン・コルトレーンのアルバムは1966年に録音された“Live in Japan”。
Pharoah Sanders (tsその他)、Alice Coltrane(p)、Jimmy Garrison(b)、Rashied Ali(ds)がそのほかのメンバーです。
最も短い曲Peace On Earthでも録音時間が25分。
亡くなる前年の演奏であることを全く感じさせない嵐のようなブロウ。
エネルギーに溢れた演奏に圧倒されました。

60年代半ばのこの時期。
ジャズ・ジャイアンツが次々と来日していたなんて羨ましい・・・。
アルバムだけでもその偉大さが十分に伝わってくる名演を、是非ライブで私も味わってみたかったです。

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posted by ありあ at 21:53| 今日のジャズ喫茶

2017年07月05日

コルトレーンのお勧めは?〜今日のジャズ喫茶(9)

7月17日はコルトレーン没後50年。
ということで、早稲田のJazz Nuttyのサイトには「今月のテーマ」のところに「リクエストをお待ちしています」の文字が。

後期のアルバムではない、いわゆる「名盤」ではないお勧めのものを、とお願いしたところかかったのがこちら。
“Cattin' With Coltrane And Quinichette”
コルトレーンがレスター・ヤングの流れをくむポール・クイニシェット(Paul Quinichette)と共演した1957年の録音です。

タイプの違うテナー奏者。
それぞれのアドリブももちろんですが、フォーバースのところで両者の違いが際立っているのが面白かった。
音楽性が同じミュージシャンと演奏するスタイルばかりではなくて、こういうのもありなんですね。

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この日聴いたそのほかのアルバムで素晴らしかったのが、チェット・ベイカーの“strollin'”
ギタリストのフィリップ・カテリーン(Philip Catherine)と1985 年にドイツで共演したライヴ・アルバムです。
80年代のチェットを支えたベースのジャン・ルイ・ラシンフォッセ(Jean Louis Rassinfosse)が加わったドラムレスの渋い演奏。

チェットのvocalが入っているので、私もコレクションしていたアルバムだったのですが、音がよかったからか、始めて聴いたかのような新鮮な印象に打たれました。
vocal以外の曲を真剣に聴いていなかったことに気づいて反省。

チェットの音色との相性抜群な繊細なインタープレイからフュージョンを思わせるフレーズまで、緊張感ある変化に富んだ演奏。
素晴らしいギタリストの演奏に出会う機会がここ数日多くて嬉しいです。

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posted by ありあ at 08:37| 今日のジャズ喫茶

2017年07月03日

女性vocalistのお勧めアルバムは?〜今日のジャズ喫茶(8)

高田馬場マイルストーンにジャズヴォーカル仲間の藍ヒロコちゃんをお誘いしました。

お勧めのvocalアルバムを何かかけてくださいとお願いしたところ、私が大好きなキャロル・スローンの
“A Night of Ballad”がかかりました。ドン・アブニーとの84年のライブ録音です。
力を抜いた自然体。勉強になります。
全てアカペラのMy idealが心に染みました。

そのほかに良かったアルバムは、1990年にわずか32 歳で亡くなった女性ギタリスト、エミリー・レムラー(Emily Remler)の“East to Wes”。
1988年の作品で、ハンク・ジョーンズ(p)、バスター・ウィリアムス(b)、マーヴィン・スミッティ・スミス(ds)との共演です。
ウェス・モンゴメリーの影響を受けたという彼女のソロがしなやかで美しい。
ほかのアルバムも聴いてみたくなりました。

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Karen Gallingerというvocalistを聴いたのははじめてでした。
2000年のアルバム“Remembering Bill Evans”は、エヴァンスの没後20年の節目に出されており、エヴァンスのオリジナル曲に彼女が歌詞をつけています。
レパートリーに加えてみたいな〜と思っていたら、彼女のサイトに歌詞が掲載されているのを発見しました!

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posted by ありあ at 00:43| 今日のジャズ喫茶

2017年06月24日

Jazzファンを大切にしてくれるお店=Nuttyへ〜今日のジャズ喫茶(7)

思う存分聴きたいと思って店に着いても、おしゃべりしているお客さんにガッカリして早々に引き上げてしまうことが私の場合少なくないのですが。
前にもご紹介した硬派なお店、早稲田のJAZZ NuttyはJazzファンの期待を裏切りません。

今回聴かせていただいたのはビル・エヴァンス(pf)のBlue in Green。
Live In Paris, 1972 Vol. 3 と同じ音源のものらしいです。
かかった曲はDetour Ahead、Alfie、Emily。
前にうかがった時にリクエストしそびれていたのを、覚えていてかけて下さったSome Other Time。
JBLの音がいいので、エディ・ゴメス(b)、マーティー・モレル(ds)との繊細なインタープレイが心に染みました。

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次にカーメン・マクレエ(vo)のAs Time Goes By。
1973年録音の新宿ダグでのライヴによるバラード集です。
いいオーディオで聴くと、弾き語りでなければ表現できない絶妙なタイム感覚が新鮮に感じられます。

私がリクエストしたのはエリック・ドルフィー。
1961年のコペンハーゲンでの録音によるEric Dolphy In Europe Vol.2は、現地のミュージシャンとの共演だそう。
お勧めということで聴かせていただいたLauraでは、彼のアルトが縦横無尽に炸裂していました。

「ミュージシャンの魂を聴きとれ!」と書かれた看板が店の前にかかっているのですが、熱心に耳を傾けるJazzファンの一人ひとりにも敬意を払って下さっているような、暖かさが感じられる時間を過ごすことができました。

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posted by ありあ at 20:39| 今日のジャズ喫茶