2023年05月04日

才能あふれたケイティ・ジョージのアルバムはお勧め

昨年秋にリリースされたCaity Gyorgyのアルバム“featuring”を紹介し忘れてました。
キュートな歌声の彼女はカナダ出身の24歳。
楽曲ごとに異なるゲストミュージシャンがフィーチャーされた変化に富んだアルバムです。
カナダのグラミーとも言われるJuno Awardを、前作に引き続きこのアルバムでも今年再び受賞しました。

作詞・作曲・アレンジに優れたケイティ。
このアルバムでも全13曲のうち11曲がオリジナルで、バップや超swingするご機嫌な楽曲が目白押しです。
こんなにトリッキーなメロディラインをなんでわざわざ書いたの?!
1曲目からびっくりさせられます。

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特に素晴らしいのはスキャット。
liftadayというアカウントで、ソニー・スティット、チャーリー・パーカー、チェット・ベイカーなどのアドリブパートを彼女が延々とスキャットしているインスタグラムがあるのですが。
彼女の動画を見ていると、ジャズが心の底から好きで、地道にかつ楽しみながらトレーニングを重ねてきたことがよくわかります。

更にお聞きになりたい方には、2021年にリリースされた2枚のアルバムがカップリングされた日本デビュー盤“Portrait of Caity Gyorgy”があります。
このうちオリジナル曲 Secret Safe は2021年度John Lennon Songwriging Contestで最優秀賞に輝いているとのこと。

何度でも聴きたい彼女のアルバム。
聴きながら、私ももっと練習しなくちゃ、という気持ちにさせられます。

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posted by ありあ at 21:39| お勧めCD/ミュージシャン

2023年03月12日

フレッド・ハーシュ&エスペランサ・スポルディングのDUOは必聴

1月に発売されたアルバム“Alive at the Village Vanguard”は、ベースを弾くエスペランサがヴォーカルに専念し、ピアノの詩人フレッド・ハーシュと2018年5月に行ったライブの模様を収録しています。

この二人は初共演の2013年から共演を重ねて来たそうですが、このアルバムはエスペランサがストレートにジャズ・スタンダートを歌った初めてのアルバムとのこと。
3日間にわたって行われた合計6回のステージからベスト・テイクの8曲が収録されています。
パーカーやモンク、フレッドのオリジナル曲など多彩な選曲で二人のインタープレイが見事。

すばらしいのはエスペランサがところどころで即興の歌詞をはさんでいるところです。
ステージごとに違うストーリーを歌っていたそうで驚きます。

1曲目のBut Not For Meから素晴らしかったのですが、収録時間が12分と最も長かったGirl Talkが最も心ひかれました。
時々くすっと笑ってしまう歌詞が歌われていて。。。。。

私の中では早くも今年NO1のアルバムになりそうです。

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posted by ありあ at 11:55| お勧めCD/ミュージシャン

2023年03月10日

春の訪れをライブで

3月9日(木)はすっかり恒例になりました池袋ホットペッパーでのライブ。
佐藤ミドリピアノトリオの皆さんと共演しました。

今回の新曲は 2曲。
春のうきうきした気持ちを込めてJoy Spring。
ビートルズのTicket to Rideはボサノバで。

リクエストいただいた曲はIf You Could See Me Now とJava Jive。
Java Jiveは(Joy Springも!)マンハッタン・トランスファーが歌っていたお馴染みの曲ですが、先週のマントラ50周年来日公演に申し込みそびれてしまったワタクシ。
熱い思いをこめて歌わせていただきました。。。。

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写真撮影は古谷慎治さん。

次回のホットペッパーでのライブは5月11日(木)です。
リクエストがありましたら事前に私あてご連絡いただければ楽譜を持って参ります。
皆様のお越しをお待ちしています。

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posted by ありあ at 01:52| ライブのご報告

2023年02月07日

エラのライブ・アルバムが新しく出ました

このほど発売された“Live at Montreaux 1969”は、エラ・フィッツジェラルドがモントルー・ジャズ・フェスティバルに初めて出演したときの模様を録音したもの。
2005年にDVDでリリースされていたものが、ユニヴァーサル・ミュージックから世界で初めてこのたびCD化されたそうです。
共演はトミー・フラナガントリオ。

この時のエラの年齢は50代前半ですが、声ののびもドライブ感も絶好調。
ビートルズのHey Jude、クリームのSunshine of Your Love、ディオンヌ・ワーウィックのThis Girl's In Love With Youといったポップスをアレンジした選曲が特徴的。
合計14曲が収録されていますが、この年に発売されたアルバム“Sunshine Of Your Love”の曲が中心になっていました。

必聴なのはこのうちのScat Medley。
One Note SambaやTisket-A-Tasketなどのテーマをはさみながら次々とスキャットしていくのですが、バンドそっちのけでアカペラで延々と歌っていくところも。

どの曲も迫力満点。バラードは限りなく美しく。
オーディエンスを盛り上げるとはどういうことか、とても勉強になりました。
歴史に残る名盤です。

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posted by ありあ at 15:20| お勧めCD/ミュージシャン

シーラ・ジョーダンの最新作は?

昨年発売された“Live at Mezzrow”はNYのライブハウスMezzrowで2021年に録音されました。
パンデミックで多くの店が閉鎖される中、支援者の寄付が必要以上に集まり、「Smalls LIVE Living Masters Series」というシリーズが実現して、その第1作となったのがこちらです。

この時シーラは93歳!
いくつかのアルバムで共演しているピアニストのアラン・ブロードベント、彼女とのDUOアルバムで有名なハーヴィー・Sといった、ドラムレスでの演奏です。
シーラの歌のうちLucky to be me以外は、いずれもこれまでの彼女のリーダーアルバムに収録されている曲でしたが、気心の知れたミュージシャンとの円熟したステージが楽しめます。

驚いたのはそのタイム感覚。
はじめは語るように歌っていても、自然にリズムに乗せてくる。
スキャットも現役そのもの。
いくつになってもその年齢に応じたswingの仕方があるのだ、ということを教えてもらいました。

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posted by ありあ at 14:43| お勧めCD/ミュージシャン

2023年02月02日

今回のグラミー賞ノミネートアルバムは?(続)

ブログで紹介してこなかった2枚のアルバムはこちらです。

カーメン・ランディのFade To Black
彼女の16枚目のアルバムが昨年に引き続いて今回もノミネートされました。
マルチな才能にあふれる彼女は、今回も全11曲の曲作りとアレンジに加え、アルバムのデザインを担当しています。

このアルバムは、パンデミックの最中に亡くなった家族の思い出に捧げられたものだそう。「これらの曲は、この大きな喪失、悲しみ、癒し、そして私たち全員にとってより明るく、より包括的な未来への希望を反映してます」と述べたカーメン。
今回もメッセージ性のある歌詞がつけられています。

彼女の書くメロディー・ラインはソウルフルで、印象的に耳に残ります。
スモーキーで深い声質ともよくあっていて。。。。
ジュリアス・ロドリゲスのピアノ、テレオン・ガリーのドラムスも聴きごたえ有り。
最後から2曲目の Reverence のホーン・アレンジもグルーヴィーです。
オリジナル曲ばかりなので最初はとっつきにくいかもしれませんが、聴くたびに演奏の深さがより味わえるはずです。

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セシル・マクロリン・サリヴァントのGhost Song
これまでに幾度もグラミー受賞の栄誉に輝いているセシル。
今回のアルバムは、名門Nonesuchへの移籍第一弾となる作品です。

今回は亡霊やノスタルジア、憧れをテーマにしているとのこと。
全12曲のうちオリジナルが7曲ですが、カントリー調やミュージカル調だけでなく独特の節回しを持つアイルランドのアカペラ唱法を駆使した曲も。
ハイトーンの歌声が美しいです。
使われている楽器もバンジョー、ピッコロ、教会のパイプオルガンなど多彩。
パーカッション奏者は小川慶太さんでした。

私が好きになったのはObligationという1分半の短い曲
〜罪悪感で交際していたら? それは愛ではなくてプレッシャー〜
といったメッセージを、セシルの歌とピアノトリオの演奏で一気にたたみかけていきます。

授賞式は日本時間の2/6です。受賞するのはどのアルバムでしょうか。

2/6追記 サマラ・ジョイが受賞しました。

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posted by ありあ at 20:14| お勧めCD/ミュージシャン

2月のホットペッパー

2月1日(水)は池袋のホットペッパーで佐藤ミドリピアノトリオの皆さんとライブでした。
ベースはうのしょうじさん。ドラムスは宮一佐知生さん
久しぶりのお客様、はじめましてのお客様。喜んでいただけて嬉しかったです。

今回の新曲は 3曲でした。

Dat Dereはボビー・ティモンズの曲にオスカー・ブラウンJrが歌詞をつけたファンキーな曲。
大好きなシーラ・ジョーダンもよく歌っています。

Dat Dare は that there の舌足らずな発音。
ママあれなに? あの人誰? あのゾウさんちょうだい?と小さな子どもが質問ぜめ。
それでもできる限りこの子の知りたいことを教えてあげよう、というママの気持ちが歌われています。

スティービー・ワンダーのDo I Doは彼の楽曲の中で私が最も好きな曲。
Original MusiquariumTに収録されていますが、なんとディジー・ガレスピーのアドリブ・ソロを聴くことができます!

ごきげんな2曲を持ち歌にできたので、これからも歌い込んで、ピアノトリオの演奏でも抜群のノリで歌えるように、歌い込んでいきたいと思います。

そしてカーペンターズのFor All We Knowをゆったりとしたボサノバで。

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ビニールシートの中での演奏、換気もばっちりで安全安心の感染対策。
写真撮影は古谷慎治さん。

次回のホットペッパーのライブは3月9日(木)です。
リクエストがありましたら事前に私あてご連絡いただければ当日楽譜を持参します。
皆様のお越しをお待ちしています。

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posted by ありあ at 12:59| ライブのご報告

2023年01月19日

今回のグラミー賞ノミネートは?

新しいアルバムが知りたくて、毎年ノミネートの動向にこの時期注目しています。
今回 Best Jazz Vocal Albumにノミネートされたのはこちら。

Linger Awhile/サマラ・ジョイ
Fifty/ザ・マンハッタントランスファーWith ケルン放送管弦楽団
The Evening : Live At APPARATUS / サ・ベイラー・プロジェクト
Fade To Black/カーメン・ランディ
Ghost Song/セシル・マクロリン・サリヴァント

このうちサマラとマントラのアルバムは、このブログでも取り上げましたので、ここからは残り3枚のアルバムをご紹介します。

まずザ・ベイラー・プロジェクトのThe Evening : Live At APPARATUS
ドラマーのマーカス・ベイラーとボーカリストのジーン・ベイラーのご夫婦によるグループです。
このアルバムには、ナイトクラブに改装されたニューヨークのデザインスタジオ、Apparatus で3夜にわたって行われたライブの模様が録音されています。

全11曲のうち9曲が、これまでにリリースされいずれもグラミーにノミネートされた2枚のアルバムに収録されているおなじみの曲なのですが。
このライブ盤、聴衆の盛り上がりが半端じゃない。いずれもはじめて聴く楽曲のようなのです。

ヴォーカルの聴きどころは、奔放なフレージングでスタンダードナンバーを新鮮に歌っている Our Love is here to Stayや Tenderly、スキャットを交えて盛り上げていくWe sing、といったところでしょうか。

過去にグラミー賞を受賞しているジャズカルテット、イエロージャケッツの元メンバー、マーカスのドラムも圧巻。
Call of the Drumは今回BEST IMPROVISED JAZZ SOLO部門にもノミネートされています。

ミュージシャンの演奏も素晴らしい。
テナー&ソプラスサックスはキース・ロフティス、トランペットはダレン・バレット、ベースは中村恭士さん。
ジャズやゴスペルといった枠を超えたエキサイティングな演奏が楽しめます。

続きは次回に。

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posted by ありあ at 21:52| お勧めCD/ミュージシャン

2023年01月06日

今年最初のホットペッパー

新しい年になりました。
更に修行を積んで、パワーアップした演奏をお届けできるように、一層精進して参ります!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて1月5日(木)は池袋のホットペッパーで新年最初のライブでした。
佐藤ミドリピアノトリオの皆さんと。

今回の新曲は、アニーロスのTwisted。
ランバート・ヘンドリックス&ロスがかねてより好きだったので、ようやく持ち歌に加えることができて嬉しいです。
テナーサックス奏者ワーデル・グレイのソロに歌詞をつけたヴォーカリーズの曲です。

もう1曲はBig Spender。スロウ・バウンスでしっとりした雰囲気を出してみました。

久しぶりに歌った曲は
You are too beautiful コルトレーンとジョニー・ハートマンの共演でお馴染みの美しいバラードです。
マット・デニスのWill You Still be Mineは宮一佐知生さんのドラムスをフューチャーして。

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ベースのうのしょうじさんと。
私たちはビニールシートの中で演奏しており、感染対策がバッチリな店内です。
写真撮影は古谷慎治さん。

次回のホットペッパーのライブは2月1日(水)です。
リクエストもありましたら是非。
事前に私あてご連絡いただければ当日楽譜を持参しますし、持ち歌にない曲でも楽譜を作って当日までに仕上げて参ります!

皆様のお越しをお待ちしています。

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posted by ありあ at 03:17| ライブのご報告

2022年12月19日

土岐英史氏が残されたアドリブ練習Book最新版はこちら

今月12日にALFANOTEから出版された
『聴いて体に入れる!枯葉で学ぶジャズアドリブ練習BOOK 〜メジャー&マイナーII-V-Iをマスター!』は 昨年6月に逝去されたサックス奏者、土岐英史氏による教則本。

制作途上のものを、氏のご遺志によりトランペッターの市原ひかりさんが完成させたそうです。

楽器別にinC、inB♭、inE♭の楽譜が用意され、それぞれに3つのキーによる譜面が掲載されていて、YouTube連動による音源を使った練習ができます。
もちろん土岐氏によるアドリブソロの音源も。

これまでに出版されていた土岐氏の教則本で、12Keyの II-V-Iフレーズを、繰り返し聴き、歌い、曲の練習にと、私もこれまでさんざん使わせていただきました。
なので聴き慣れた土岐氏のあたたかな音色が格別の思いで心に染みました。

土岐英史さん、これまで本当にありがとうございました。

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posted by ありあ at 14:46| Jazz修業

2022年12月02日

詩と思想の最新号で・・・

土曜美術社出版販売から発行されている雑誌、『詩と思想』の12月号で
第31回詩と思想新人賞の発表があり、前回に引き続いて私の作品が入選。
同誌に掲載されました。

今回も受賞を逃しましたが、それでも私の拙い作品に引き続き目をとめていただいたことは、感謝以外にありません。
今の課題が何で、これからどのようにそれらに取り組んでいくのか、考えているところです。

posted by ありあ at 15:56| 現代詩

2022年11月23日

タワンダのデビュー・アルバム 聴きました!

今回ご紹介するTawanda(タワンダ・スースブリッチ・ジョアキム)も2021年の第9回サラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ボーカル・コンペティションに25歳で優勝。
ジョージ・クラビンのプロデュースにより、彼のジャズ・レーベル、レゾナンス・レコードからファースト・アルバム“Smile”がこのほど発売されました。

説得力のあるヴォーカルというのが第一印象。
声の艶やかさ、天性のスウィング感に加えて、ディクションの確かさが際立っているので、何を歌っているのか歌詞が明瞭に聞き取れて、歌の世界がぐいぐいと迫ってくるのです。

力強い歌唱で印象的だったのはI'm Okay。
アルゼンチンのピアニスト、エディ・デル・バリオが作曲し、ダイアン・リーヴスがレコーディングしていた曲です。
ライナーノーツによれば、タワンダは、ダイアン・リーヴスから大きな影響を受けているそうで、この曲についても、強さと誇りを感じさせる、地に足の着いた曲・・・と語っていました。

タワンダはスキャットも自在ですが、彼女の使うシラブルやフレージングの中には、ダイアン・リーヴスを思わせるところも随所に感じられたような。
What a Little Moonlight Can Do や Out of This World といったテンポの早いスタンダード曲がチャレンジングで新鮮でした。

ドイツ生まれの母親とモザンビーク出身の父親のもとで、国際色豊かな音楽を聴いて育った彼女は、進学したサンタフェ芸術デザイン大学でジャズに出会い、解放的なジャズの世界に衝撃を受けたとのこと。

このアルバムを聴いていても、ポジティブな思いを各々の楽曲から感じ取ることができました。
これからの活躍に注目です。

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posted by ありあ at 03:23| お勧めCD/ミュージシャン

2022年11月12日

サマラ・ジョイのメジャー・デビュー・アルバム

弱冠22歳にして圧倒的な歌唱力。
Samara Joyが名門Verveと契約してこのほどリリースしたアルバムLinger A whileを聴きました。

2019年にサラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ボーカル・コンペティションで優勝した彼女。
深いところからの発声はサラを思わせ、ベルベットのような声質は彼女が好きなカーメンのよう。しかも抜群のswing感。

このアルバムには、MistyやSomeone to Watch Over Me、'Round Midnightといったスタンダードナンバーも収録されていますが。
私が最も注目したのはファッツ・ナヴァロのNostalgiaのヴォーカリーズでした。

彼女はニューヨーク州立大学パーチェスカレッジを2021年に卒業しているのですが、インタビュー動画によれば、大学で受講していたジョン・ファディスによるトランスクライブの授業で心引かれたのが、ファッツ・ナバロのメロディアスなソロ。
歌詞をつけるようにとジョンから勧められたのだそうです。

ファッツ・ナバロへの敬意をこめた歌詞が綴られているのですが、のびのびと自然で、惚れ込んだ曲を楽しそうに歌っている様子が声を聴くだけで伝わってくるのです。

共演はパスカーレ・グラッソ(g)、ベン・パターソン(p)、デイヴィッド・ウォン(b)、ケニー・ワシントン(ds)。

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そんな彼女のファースト・アルバムは、昨年2021年にWHIRLWIND RECORDSというところから出されています。
こちらはギター・トリオとの演奏で、パスカーレのギター、アリ・ローランドのベース、ドラムスはケニー・ワシントン。プロデューサーはマット・ピアソン。
 
StardustやLover Manといった大スタンダードも収録されていますが、私がいいなと思ったのはアップテンポにSWINGする曲。

ギタートリオによる演奏だからでしょうか。1988年生まれ、イタリア出身のパスカーレによる超絶技巧に触発されてか、サマラの歌が気持ちよくノっているのです。
ビリー・ホリデイがゆったりしたテンポで歌っていたLet's Dream In The Moonlightや Everything Happens To Meといった曲のアプローチが新鮮でした。

サマラはスキャットをバリバリ繰り出すわけではないですが、フェイクが抜群にうまい。
これまで多くの偉大なシンガーが歌ってきた曲をより魅力的にしています。
彼女のTikTokも話題だそうで、ジャズ・ヴォーカルの新しい時代を担う逸材に今後とも注目していきたいと思います。

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posted by ありあ at 15:38| お勧めCD/ミュージシャン

2022年11月06日

マントラ50周年記念アルバムが出ました

マンハッタン・トランスファーが結成されてなんと50年になるそうです。
このほど発売されたFIFTYは、全曲がオーケストラ仕様の豪華なアルバム。

メンバーのアラン・ポールが書いたライナーノーツによれば、グループの歴史の中で重要な瞬間を表すような曲や、必ずしもヒット曲ではないけれど自分たちが本当に好きな曲が選ばれたのだそう。

全10曲の中で私が繰り返し聴いているお気に入りは次の3曲。
いずれもアラン・ポールがヴォーカル・アレンジをしている曲になりました。

シングルでも大ヒットしたTwilight Zone / Twilight Toneは、シェリル・ベンティーンが正式加入した1979年のアルバムExtentionsに収録されていた曲です。
オーケストラ用のアレンジでより重厚な雰囲気。
ジェニス・シーゲルのソロボーカルもフェイクが活き活きとしています。

What Goes Around, Comes Aroundはアトランティックからコロンビアに移籍した1991年のアルバムThe Offbeat of Avenuesに収録されていたダンサブルな曲。
こちらはメンバーが全ての曲づくりに携わるようになった最初のアルバムです。

今回はじめて抄録されたのはガーシュインの曲でThe Man I Love。
1945年のアーティ・ショーのバンド演奏での楽器のソロに歌詞をつけたヴォーカリーズのスタイルをとっていますが、これまでアルバムに収録される機会がなかったとのこと。
シェリルの驚異的なハイトーンが必聴です。

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シェリルは1954年生まれ、ジャニスは1952年、アランは1949年!
時が止まったかのよう。年齢を全く感じさせない歌声に脱帽です。
ファイナル・ワールド・ツアーも行われるそうで、来年の日本公演に期待が高まります。

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posted by ありあ at 04:12| お勧めCD/ミュージシャン

2022年11月05日

11月のホットペッパー

11月4日(金)は池袋のホットペッパーで佐藤ミドリピアノトリオの皆さんと出演させていただきました。

このところ寒さが増してきて、いわゆる寒暖差アレルギーの私にとってつらい毎日が続いていましたが、なぜかライブが始まると、おはなぐすぐすが気にならなくなってくるのが不思議です。

今回の新曲はリクエストをいただいたレイ・チャールズの曲、Hit the Rode Jack。
聞いた音源ではバックにコーラスが入っていたので、自分なりにアレンジを加えてみました。

久しぶりの曲は、
バカラックの曲でWives and Lovers
コルトレーンの名演でお馴染みのToo young to go steady
ハロルド・アーレンとジョニー・マーサーによるOut of this World.
ディズニーの曲でAlice in Wonderland.   ジョビンのFelicidade.
I've never been in love beforeはベースのうのさんとDUOで。
秋の曲はジョニー・ハートマンが歌っていたAutumen Serenadeを。

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写真撮影は古谷慎治さん。今の時期は新型コロナ対策のためビニールシートの中で歌っています。

次回のホットペッパーのライブはメンバーの都合がなかなか合わず、来年の1月5日(木)。
お正月明け最初のライブです。少し先になるのでどんな新曲を用意するか今から楽しみ。
リクエストもありましたら事前に私あてご連絡いただければ、当日楽譜を持参します!
皆様のお越しをお待ちしています。

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posted by ありあ at 03:09| ライブのご報告

2022年10月06日

雨の中のライブ

10月5日(水)は毎月恒例の池袋ホットペッパーのライブでした。
佐藤ミドリピアノトリオの皆さんと。
今日も雨。お足元の悪い中、お運び下さりありがとうございました。

新曲の1曲目はBittersweet Samba。
ミドリさんがよく選曲しているので私も歌いたくなりました。
オールナイト・ニッポンのテーマ曲でお馴染み。
英語の歌詞がないので自分でつけてみました!

新曲の2曲目はスティービー・ワンダーのラブ・バラードで You and I。
前から歌ってみたかった曲。ようやくコードづけして楽譜を書きました。

久しぶりの曲は、セルジオ・メンデスのトリステーザ、ジョニー・マンデルのEmily、
ナットキングコールの Straighten Up and Fly Right、ホレス・シルバーのNica's Dream、
ジョビンの Someone to Light up my Life
The Meaning of the blues、I love you PorgyをベースのうのさんとDUOで。

10月なのでお店もハロウインの飾り付けで華やか。
私もミドリさんもオレンジ色を服のアクセントにしています。

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写真撮影は古谷慎治さん。

次回のホットペッパーのライブは11月4日(金)です。
このところ暑い日が続いていたので、今回は秋の歌を選曲しませんでした。
来月はおそらくタップリと。。。。。。

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posted by ありあ at 01:52| ライブのご報告

2022年09月30日

第一詩集できました

私の第一詩集『子犬は跳ねて 空の色に溶けた』が七月堂さんより発売になりました。
手元でくすぶっていた作品たちが独り立ちしていったような、なんだか不思議な気分です。
野村喜和夫先生に栞を執筆していただきました。

お買い求めはこちらの七月堂のHPをスクロールした右下からお申し込みください。
http://www.shichigatsudo.co.jp/info.php?category=publication&id=koinuhahanete

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posted by ありあ at 04:16| 現代詩

2022年09月02日

あっという間に9月のライブ

9月1日(木)は池袋ホットペッパーでライブ、with佐藤ミドリピアノトリオでした。
夕方にものすごい雨でした。

今日から9月なので、新曲としてアース・ウィンド アンド ファイアーの名曲Septemberをアフロで歌ってみました。
この日は久々にスティービー・ワンダーのIsn't She Lovelyも。
どちらも懐かしい曲ですね。
ドラムは宮一佐知生さんですが、ジャズ以外の曲でもとてもいい感じにいつもたたいてくださるので、歌いながら心の中でその都度にんまりしています。

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ベースのうのさんとのDuoはThe Things We Did Last Summer.
歌いながら私も、過ぎ去った夏の日の思い出が浮かんで、しっとりしてしまいました。
写真撮影は古谷慎治さん。

次回のホットペッパーのライブは10月5日(水)です。
次回の新曲、何をお届けするか悩みます。。。。毎回嬉しいお悩み。
リクエストもお待ちしていますね。

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posted by ありあ at 07:52| ライブのご報告

2022年08月06日

8月はHotなライブで

天候不順な毎日ですね。
8月5日(金)は池袋ホットペッパーで佐藤ミドリピアノトリオとライブでした。

夏の歌をしっかり選曲しました。
エラが歌っていたToo Darn Hot。この時期になると必ず歌いたくなってしまいます。
マイルスが演奏していたSummer Night。切ないジャズワルツで。
ミッシェル・ルグランの映画音楽Summer Knows。ミステリアスな歌詞であやしげです。
エスターテ。ジョビンの名曲でジェット機のサンバ。

この日の新曲はI'll be thereを。ずっと歌ってみたかったジャクソン5の曲です。

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ピアノはミドリさん。ベースはうのしょうじさん。ドラムスは宮一佐知生さん。
写真撮影は古谷慎治さん。
私はビニールシートの中で、ミュージシャンはマスクをつけて演奏しています。

次回のホットペッパーのライブは9月1日(木)。
リクエストもお待ちしていますね。

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posted by ありあ at 16:09| ライブのご報告

2022年07月30日

ご機嫌なヴォーカリーズユニットH.I.Tは必聴!

Jazz vocalが聴きたいな〜と思ったときに、少し前まで私が繰り返し聴いていたのは、かつてこのブログでもご紹介したことがあるランバート・ヘンドリックス&ロス(L,H&R)のアルバムでした。

そして彼らのサウンドをアップデートしたかのようなすばらしいアルバムが、日本からこの5月に発売されました!
TOKUさん、マヤ・ハッチさん、伊藤大輔さんによるユニットH.I.TがリリースしたDiggin' the Soundsです。

1曲目のCharleston Alleyを聴いてその再現度にまずびっくり。
しかしながら聴き進めるうち、L,H&Rのアルバムとは異なる深みを感じました。
アレンジが同じでも声質が異なるので当たり前かもしれませんが。

TOKUさんのカートエリングを思わせるようなハリのある歌声。
彼らを支える迫力あるピアノトリオ(宮川純(p)、楠井五月(b)、二本松義史(ds)の皆さん)の演奏と絡むTOKUさんのフリューゲルホーン 
L,H&Rではアニー・ロス1人がメインヴォーカルだったTwistedのソロパートを3人で分担していたり などなど・・・

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繰り返し聴きたいアルバムと出会えるのは幸せなこと。
ライブがあれば是非聴きにいきたいと思いましたし、この3人のソロアルバムもこの機会にじっくり聴いてみたくなりました。
ということで2011年のアルバムTOKU sings & plays STEVIE WONDER もお勧めしておきますね。

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posted by ありあ at 01:12| お勧めCD/ミュージシャン