2022年07月16日

池袋ホットペッパー 7月のライブ

7月15日は佐藤ミドリさんのピアノトリオとライブ。
雨が降り続く金曜日でした。

この日ライブではじめて歌った曲は懐かしいスタイリスティックスのナンバーでYou Make Me Feel Brand New。
ファルセットが巧みなラッセル・トンプキンスとテナーのエアリオン・ラブによるデュエット曲をワタシ一人で歌いました。
コロナになってからクラシックの声楽レッスンに行っていないので、自らの声域との挑戦になるか?!と思って挑みましたが、大好きな曲はやっぱり気持ちがよかったです。

久しぶりに歌った曲はA Sleepin' Bee, Sometime Ago, エリントンナンバーでI'm just a Lucky so and so, So Nice, A Time for Love。
スティービーワンダーがボブ・マーリーに捧げた曲、Master Blasterは20年ぶりでしょうか。
この日の私の選曲は3分の1がスティービーの曲でした!

この日も歌はビニールシートの中で、ミュージシャンの皆さんはマスクを着けてそれぞれ演奏しました。
撮影は古谷慎治さん。

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ピアノはミドリさん、ベースのうのしょうじさん、ドラムは宮一佐知生さん

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うのさんのベースソロに聞き惚れているところ。いつも私好みの演奏を聞かせてくださいます。

次回のホットペッパーのライブは8月5日(金)です。
夏の曲、楽譜探してもって行きますね。リクエストもありましたら是非。

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posted by ありあ at 08:36| ライブのご報告

2022年06月24日

池袋ホットペッパーでライブ

梅雨のシーズンになりました。道端の紫陽花に出会うとほっとします。
23日(木)は佐藤ミドリさんのピアノトリオとライブでした。

この日ライブではじめて歌った曲はスティービーワンダーのOverjoyed。
CMで流れていますし歌っている方も多いですが、同じ雰囲気にならないように、ジャズワルツにしてアレンジもちょこっと加えてみました。
St.Thomasも歌詞を探して初披露。

久しぶりに歌った曲は
スティービー・ワンダーのDon't you worry about a thing(くよくよするなよ)
松田聖子さんのSweet Memoriesは英語の歌詞で。
レイチャールズのHallelujah I love him so
ジャズでお馴染みの曲では Detour Ahead, You stepped out of a dream,
The surrey with the fringe on top, As long as I live,

この日もビニールシートの中で演奏し、ミュージシャンの皆さんはマスクを着けていたのですが。
ビニールシートの材質が変わったのか写真の光の反射が多くなってしまいました。
せめて演奏の様子がお伝えできるかと思い載せさせていただきましたが。
撮影は古谷慎治さん。

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次回のホットペッパーのライブは7月15日(金)。
リクエストもお待ちしています。
楽譜を持って行きますので、事前にご連絡いただけると嬉しいです。

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posted by ありあ at 15:45| ライブのご報告

2022年05月21日

5月のホットペッパー

20日(金)は池袋ホットペッパーでピアノの佐藤ミドリさんのトリオとライブでした。
お越し下さったお客様。お忙しい中ありがとうございました。

この日ライブではじめて歌った曲はAfternoon in Paris。
ジョン・ルイスの曲ですが、歌詞が見つかったので持ち歌にしてみました。

コロナの間に楽譜を整理していたので久しぶりに演奏できた曲もいくつか。
スティービー・ワンダーのLatelyやI wishは20年以上前によく歌っていた曲です。

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撮影は古谷慎治さん。

ジャズに限らず、これからは好きな歌を歌っていければという思いが強くなってきました。
昔歌っていたのに楽譜が見つからないままの曲も色々あるので、あらためて楽譜を書いてまた演奏できればと。。。

次回のホットペッパーのライブは6月23日(木)です。
皆様のお越しをお待ちしています。

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posted by ありあ at 02:13| ライブのご報告

2022年04月02日

4月1日のライブ

早くも4月になりました。1日(金)は池袋ホットペッパーでライブでした。
営業時間短縮期間も終わり、ようやく通常営業。
ピアノの佐藤ミドリさん、ベースのうのしょうじさん、ドラムの宮一佐知生さんと。
いつも安心してお任せできるメンバーです。

この日ライブではじめて歌った曲はSing,Sing,Sing。
この曲は歌詞がちょっとつまらなくて。。。。と思うところがあり、これまで歌ったことがなかったのですが、今回はNew York Voicesのヴァージョンを参考に、自分なりに歌詞をアレンジして歌ってみました。

ほかにはウクライナへの思いをこめてSunflowerを。
私も夏によく歌う映画音楽ですが、映画に登場する一面のヒマワリ畑はウクライナで撮影されたのだそうです。

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演奏はこんな感じでビニールシートの中なので、光がシートに反射してしまう写真がどうしても多くなってしまいます。
撮影は古谷慎治さん。いつもありがとうございます。

次回のホットペッパーのライブは5月20日(金)です。
リクエストもお待ちしています!

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posted by ありあ at 00:49| ライブのご報告

2022年03月29日

詩と思想2022年4月号

今年の「現代詩の新鋭」10人の中の1人に選んで頂き、私の作品と柴崎聰先生ご執筆の私の紹介文が、『詩と思想』最新号に掲載されました。
有り難うございます。

これまでの生活をリセットした機会に、詩と向き合う時間を確保するよう努めて早くも3年が過ぎようとしています。
自宅前の神田川の桜は満開。
小さな節目ですが、これを期にまた新たな日々を見通していくことができたらと思っています。
1日のライブも頑張ります!

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posted by ありあ at 18:11| 現代詩

2022年03月23日

驚異的ソプラノヴォイスが歌うジャズ:シェリルベンティーン〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(23)

マンハッタン・トランスファーのジャニス・シーゲルのアルバムをがっつりと聴いたので、Cheryl Bentyneのアルバムもまとめて聴いてみたくなりました。

1954年生まれ、今年68歳の彼女は1979年のアルバムExtensionsがマントラ加入後発のアルバム。
マントラの活動と並行してSomething Cool(Columbia、1992)移行、ソロアルバムも出し続けています。
Popsも上手いので全てがJazzyなアルバムというわけではないですが、今回も全てのソロアルバムを年代順に聴いてJazz Feelingに溢れたお勧めのアルバムをご紹介します。

まず、アニタ・オデイに捧げたLet Me Off Uptown(Telarc、2005)。
アニタはブルースフィーリングとswing感にあふれたハスキーな歌唱が個性的なシンガーです。

アニタのアルバムに寄せたアレンジで、アニタが得意としたレパートリーを、アニタと真逆の声質の〜ピッチが完璧で声域の広い〜シェリルが、ブルースフィーリングとswing感を炸裂させて歌うととどうなるか!? がこのアルバムの聴きどころ。
超アップテンポのTea for Twoをはじめとするアニタの名唱が、全く新しい光を放って蘇ります。
ピアノとアレンジ、プロデューサーは、多くのアルバムで共演している彼女の夫のコリー・アレン。

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次にご紹介するのは、The Cole Porter Songbook(Paddle Wheel、2009)。
コール・ポーター曲集はエラやアニタ、ローズマリー・クルーニー、日本では金丸正城氏らがアルバム化しています。

シェリルのこのアルバムは、確かにこんなアプローチもあるよね。。と感心させられるアレンジの曲が少なくなく、ヒントがもらえます。
声でいかにグルーヴを表現するか勉強になるので、ジャズ・ヴォーカルの勉強をしている方なら一度は聴いていただきたいアルバム。

シェリルはThe Gershwin Songbook(ArtistShare、2010)も出していますが、こちらはクラリネットがフューチャーされている曲が少なくなく、スウィングスタイルのジャズが好みの方なら楽しめるかもしれません。

最後にコーラスのアルバムを。
Moonlight Serenade(King、2003)は聴いていて心がなごみました。
ボビー・マクファーリンのグループのアレンジャーでありシンガーのロジャー・トリース、Take6のマーク・キブル、スペシャルゲストとしてケヴィン・マホガニーが参加していて、マントラと趣の異なるサウンドが聴きどころです。

マントラではソプラノを担当しているシェリルですが、ソロアルバムではアルトで歌っている曲も多いことに気付きます。
声を巧みにコントロールし続けている彼女の歌唱から多くを学ぶことができました。

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posted by ありあ at 23:41| ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱

トニー・ベネットのDuetアルバムLove for Saleから感じたこと

トニー・ベネットのアルバムを積極的に聴いてきたわけではありませんでした。
1970年代半ばにだされたエヴァンスとの共演アルバムや、近年だされていた一連のDuetアルバムをお勉強のために聴いていたくらいで。

高音に至るまで目一杯声を張るタイプの歌唱法やアーティキュレーションが好みではなかったのです。
フレーズ終わりがぶっちりと勢い良く切れるときがあって、もう少しテヌートぎみで終わった方がよりスウィング感が出せるのにと思ったり。。。。

若いときにはそんな風に「元気いっぱい」のイメージで歌っていた彼でしたが、レディー・ガガとデュエットした最新作Love for Saleでは、力が抜けていてのびやかな歌い方が心地よかったです。

印象が変わるのはあたり前ですよね。
アルツハイマーを患った95歳の彼が歌うジャズ。
エヴァンスとのアルバムに収録されていたDream Dancingも、今回の方が低いキーになっていましたが、その分聴いていてゆったりとした気持ちになりました。

高齢になっても自らを高め続け、病に見舞われてもあきらめずに歌い続ける精神。
そして何歳になってもその年齢にみあった歌い方があるのだということを教えてくれたトニー・ベネット。

心を奮い立たせてくれて感謝です。

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posted by ありあ at 16:49| お勧めCD/ミュージシャン

2022年03月03日

3月のライブ

少しずつあたたかくなってきましたね。
3月2日(水)は池袋ホットペッパーで佐藤ミドリピアノトリオとライブでした。

この時期に必ず歌う春の歌はUp Jumped Spring.
フレディ・ハバードの曲にアビーリンカーンが歌詞をつけています。

この日の新曲はSide by Sideをゆったりめに。
そしてSunnyをジャズワルツで。

こういった超スタンダードナンバーをライブではほとんど演奏してこなかったのですが、やるからには人と同じことはしたくない。。。
私もミドリさんもそこのところは同じ気持ちでそれぞれ選曲しているのに気付きました。

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ベースのうのしょうじさんと。写真撮影は古谷慎治さん。

次回のホットペッパーのライブは4月1日(金)。
リクエストも絶賛受付中。皆様のお越しをお待ちしています。

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posted by ありあ at 09:19| ライブのご報告

2022年01月22日

シーラ・ジョーダンの初期の音源がアルバムに

ブルーノートから発表された名盤Portrait Of Sheilaの2年前に録音された音源が発掘されました。
先頃リリースされたComes Love: Lost Session 1960。
ピアノトリオをバックに、31歳のシーラの若々しい歌声を聴くことができます。

ミュージシャンの名前が書かれていないのは、あまりにも昔の録音なので彼女自身が共演者を記憶していなかったかららしい。
収録された全11曲は全て間奏なしの歌いっぱなしです。

これまでに出されたアルバムに収録されていた曲も何曲かあるので、聴き比べるのも面白いです。
このアルバムではいずれもキーが高くなっていて、テンポも若干速くなって明るい印象。

シーラの歌は節回しのクセが独特であまり好みではないのよね、と今まで思っていた方にも、伸びやかな歌声が楽しめるこのアルバムはお勧めです!

とはいえ私が最も気に入った曲は、頭からフェイクが大胆なThey can't Take That Away From Me。
シーラ節もしっかり堪能できる必聴盤です。

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posted by ありあ at 02:08| お勧めCD/ミュージシャン

今年最初のライブ

1月21日(金)は池袋ホットペッパーで恒例となりました佐藤ミドリピアノトリオとのライブでした。
久しぶりにお運びくださったお客様。いつもお越し下さるお客様。
応援ありがとうございました!

この日は東京都の蔓延防止等重点措置の初日。
演奏は18時から、閉店は21時にと急遽決定し、慌ただしいスケジュールをこなしましたが、それでも演奏する機会が与えられているのは幸せなことです。

いつまで経っても出口が見えない、暗いトンネルの中を手探りで歩いているような毎日。
少しでもいい音楽をお届けして、ともに元気で明日を迎えたいと心の底から願って演奏しました。

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写真撮影は古谷慎治さん。
私はこの日のためにPCR検査を済ませていますが、念のためマスクをし、ビニールシートの中で歌いました。

次回のホットペッパーのライブは3月2日(水)。
またお目にかかれる日まで、皆様お元気でお過ごし下さい。

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posted by ありあ at 02:05| ライブのご報告

2022年01月16日

2022年のグラミー賞ノミネートは?

新しい動向が知りたくて、毎年ノミネートアルバムを聴くことにしています。
今年も新型コロナの影響で、発表日が延期されることになりました。

今回ベスト・ジャズヴォーカル・アルバムにノミネートされたアーティスト/アルバムタイトルはこちら

カート・エリング&チャーリー・ハンター/SuperBlue
サ・ベイラー・プロジェクト/Generations
ニーナ・フリーロン/Time Traveler
グレッチェン・パーラト/Flor
エスペランサ・スポルディング/Songwrites Apothecary Lab

これまでにブログでご紹介していなかったアルバムは次の2枚です。

The Baylor Projectはヴォーカリストのジャン・ベイラーとドラマーのマーカス・ベイラーの夫婦によるデュオ。
2017年のデビューアルバムThe Journeyもジャズ・ヴォーカル・アルバムとトラディショナルR&Bパフォーマンスの2部門にノミネートされていましたが、今回のアルバムは更にパワーアップしています。

サックス奏者のケニー・ギャレット、ヴォーカリストのジャズメイヤ・ホーンとダイアン・リーブスなど、ゲストが多彩。
「ソウルとジャズの境界線」と評していた記事を目にしましたが、正にそのとおりで、懐かしいソウル・ミュージックのノリを思わせる曲がある一方、Bopフィーリングなスキャット合戦が展開されたり。。。。

最後の曲名“Benediction”は祝祷という意味。
家族や愛をインスピレーションさせる余韻を残したアルバムです。

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Esperanza Spaldingは、2020年の第62回グラミー賞を前作12 Little Spellsで受賞しています。
今回のアルバムは、人々のストレスや悲しみを和らげるために、音楽実験の場「ソングライツ・アポセカリー・ラボ」において、神経科学や音楽療法など多様な分野の専門家との協力で生まれたヒーリング・アルバムだそう。

切れ目なく続く12曲はうち2曲を除いて全て彼女の作。
やわらかな声が自在に羽ばたき、大きなものに身を任せようという気持ちが沸いてくる歌詞がついています。

共演するミュージシャンも多彩で、キューバ出身ドラマーのフランシスコ・メラやアルゼンチン人ピアニストのレオ・ジェノヴェス、トロンボーン奏者のコーリー・キングら。
ウェイン・ショーターの突然のアドリブ炸裂に驚かされたりして、私にはほとんどヒーリング効果が感じられませんでしたが。。。

最後にもう1枚。
過去にこのブログでも紹介したヴォーカリスト、ジャズメイア・ホーンの3作目のアルバム、Dear LoveがBest Large Jazz Ensemble Albumにノミネートされていました。

15人編成のビッグバンドNoble Forceの演奏は全て彼女自身がアレンジ。
Lover come Back to MeやHe's My Guyといったスタンダードナンバーも取り上げられていますが、語りで通す曲があったり、驚異のハイトーンで盛り上げる曲があったり、刺激的なアルバムです。

発表は3月頃になるでしょうか。
どのアルバムが受賞するのか、全く予想できません。

(追記)発表・授賞式が4月3日(日本時間4日)に開かれ、エスペランサ・スポルディングさんのアルバムが受賞しました。

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posted by ありあ at 23:54| お勧めCD/ミュージシャン

2022年01月05日

絶妙なタイム感覚:シャーリー・ホーン〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(8)

(かつて掲載していた記事を消してしまったので、あらためて以下に再掲しました)

以前にこのブログでも新しいアルバムを紹介したピアニスト兼ヴォーカリストのShirley Horn (1934 –2005)。
彼女がニューヨークに進出したのもマイルス。デイヴィスらの勧めがあったからで、多くのジャズ・ミュージシャンが賞賛してきた実力派です。
私の周りのシンガーにも彼女のファンが多数おられます。

今回は手持ちのアルバム23枚を年代順に聴いていきましたが、バラードの美しさもさることながら、力強いスタイルのswingもお得意で、どれがお勧めなのか迷うほどでした。

有名なアルバムではマイルスのレパートリー曲を97年に録音し、グラミー賞を受賞した“I Remember Miles”がありますが。

ここでは、マイルスが珍しくヴォーカリストのサイドマンで参加した1991年録音の“You Won't Forget Me”をご紹介します。
マイルスが、亡くなる直前のミュート・プレイをタイトル曲で披露しており、そのほかにも、ウィントン・マルサリス(tp)、ブランフォード・マルサリス(ts)、トゥーツ・シールマンス(g, harmonica)といった豪華なゲストが参加しています。

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マイルスから彼女が評価されていたのも「間」の感覚が彼の演奏に共通していたからではないかと言われたりしていました。

彼女の場合‘It Had to Be You’のようなバラードで聴かれるテンポが超スロウ。
swingする曲でも、歌うフレーズの合間にオブリガート(ソロの合間にメロディを入れること)がしっかり絡んでいます。

ヴォーカリストとピアニストが別々の場合には、フレーズの最後にヴォーカリストが意識的に間をとると、ピアニストがそれに気づいてオブリをはさんでくれて、両者の掛け合いになったりします。
あるいは、ピアニストのオブリを聴いていて、それらが終わったタイミングで歌のフレーズを入れたり。
私の場合はそんな感じで、そうやってその場その場での掛け合いを成立させるところに、スリリングな面白さがあるのですが。

彼女の場合には、それらを一人でやっているのですから、自分の歌にピアノのサウンドを絶妙に絡ませることができるわけで。
変化がつけにくくなる超スロウのバラードでも、合間にコーンとアクセントを効かせたサウンドを響かせたり。

そのほかに私が好きなアルバムは、ジョー・ヘンダーソン(ts)やエルビン・ジョーンズ(ds)が参加している“The Main Ingredient”(1996)。
比較的初期のアルバムでは“A Lazy Afternoon”(1978)。

ばりばりスキャトをしたり、原曲の姿をとどめないようなアレンジをしたりといった派手さはないですが、歌心がわかる歌伴がしたいと願うピアニストの方にも格好のお手本になる名演ぞろいです。

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posted by ありあ at 23:35| ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱

2021年12月02日

12月のライブ

12/1は池袋のホットペッパーで佐藤ミドリさんのピアノトリオと。
私もミドリさんもクリスマスソングを何曲か選曲しました。
ミドリさんのレパートリーはいつもかっこいいリハモがしてあって、クリスマスソングも新鮮!
アイデアいただいちゃいたくなります。

この日いただいたリクエストはビートルズのNorwegian Wood。
朝ドラの影響でOn the Sunny Side of the Streetもちょこっとルイ・アームストロングの歌まねいれてみました。

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今はビニールシートの前で歌っているのでこんな感じ。
タイコたたいてるのは宮一さん。撮影は古谷慎治さん

次回のホットペッパーのライブは、来年の1月21日(金)です。
その頃東京はどうなっているのやら。
少しでも安心して毎日が過ごせるよう祈ります。。。

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posted by ありあ at 01:50| ライブのご報告

2021年11月25日

カート・エリングの新譜は?

何度も聴きたいと素直に思えるアルバムに久しぶりに出会えました。
先頃Edition Recordsから発売されたKurt Ellingの"Super Blue"。
これまでの彼のアルバムにはなかった新しいサウンドのファンキーなアルバムです。

メンバーはプロデューサーでギタリストのチャーリー・ハンターに加えて、ファンクやヒップホップをジャズに融合させたユニークなバンド、ブッチャー・ブラウンのメンバーであるドラマーのコリー・フォンヴィルとベーシスト・キーボーディストのDJハリソンといった若くて才能あふれる2人。

パンデミックにより移動が制限される中で、このアルバムはユニークな方法で制作されたそうです。
フォンヴィルとハリソンがハンターと打ち合わせをして、さまざまなグルーヴのリズムトラックを作成し、カートが自宅でそれらを受け取ってどのような曲に適しているのか判断し、ハリソンとともにボーカルとソロギターのトラックを制作して全体をミックスさせたとのこと。

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タイトル曲のSuper Blueは、フレディ・ハバードが78年にリリースしたアルバムの演奏で知られていますが、これにカートが歌詞をつけて生き生きと蘇らせています、
昔のスティービーワンダーを聴いているような懐かしいビートのベースラインが感じられます。

2曲目のSassyはジャニス・シーゲルとシェリル・ベンティ−ンが歌詞を書いたサラヴォーンに捧げる歌。
マントラのアルバムThe Offbeat Of Avenuesで聴くことができますが、カートのソロボーカルによる本作は力強く、メロディラインがくっきりと浮かび上がってきます。

3曲目のWhere to Find Itは、ウェイン・ショーターのエキゾチックな曲Aung San Suu Kyiにカートが歌詞を書いています。
全10曲のうち7曲にカートが歌詞をつけていて、今回じっくりと内容を聴きとってからこのブログで紹介しようかとも思ったのですが、このアルバムが2022年のグラミーにノミネートされたと聞き、急遽原稿をアップすることにしました。

残りのノミネートアルバムのご紹介はあらためて。

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posted by ありあ at 18:14| お勧めCD/ミュージシャン

歌い分ける個性が憧れ:ジャニス・シーゲル〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(22)

昔マンハッタン・トランスファーをよく聴いてました。
中でもジャニスがテーマを歌うロックテイストにあふれた楽曲が印象的でした。
Ray's RockhouseとかBoy From New York Cityとか・・。
彼女の全ソロアルバムのコレクションを年代順に聴いた中からお勧めをご紹介します。

2003年にTELARC2作目として出された"Friday Night Special"は、オルガン奏者のジョーイ・デフランセスコをフューチャーしたファンキーなアルバム。
オルガンジャズ黄金時代の1950、60年代にジャズ界の中心だった彼女の生まれ故郷フィラデルフィアを意識して作られたとのことです。
スタンダードでは、There's a Small HotelやMistyといった曲がアップテンポのノリがいいグルーヴで演奏されていて新鮮でした。

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TELARC4作目として2006年に出されたThousand Beautiful Things。
スザンヌ・ヴェガやポール・サイモン、ラウル・ミドンといったソングライターたちの楽曲をラテンテイストにアレンジしたアルバムです。
歌のアレンジとピアノはエドセル・ゴメス。
私のお気に入りはマイケル・ジャクソンが歌っていたスティービー ワンダー作のI Can't Help It・・・レパートリーに加えたくなりました。

ピアノの詩人とも呼ばれているフレッド・ハーシュとのアルバムではしっとりと歌うなど彼女の表現方法は多彩です。
なのでどのアルバムでも「マントラのジャニス」のイメージの迫力ある歌声が聴けるわけではありませんが。
彼女のソロアルバム2作目としてATLANTICから1987年に出された“At Home”では、フュージョン系のミュージシャンと共演するジャニスのハリのある歌声を聴くことができます。

今年69歳のジャニスが先頃リリースしたCryin' in My Whiskeyというアルバムも手に入れて聴いてみましたが、年代や楽曲や共演者の違いによって歌い分ける表現の中に、彼女の個性を感じることができました。

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posted by ありあ at 11:50| ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱

2021年11月05日

scatが驚異的な実力派:ナンシー・キング〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(21)

1940年にオレゴン州ポートランドで生まれたNancy King。
このブログではグラミー賞にノミネートされたアルバムをちょこっと紹介しただけになっていました。

彼女はなんといってもスキャットが素晴らしい。
声域も広くて、低音部で歌っていたメロディ−ラインが急にオクターブ上に飛んで展開されたり、また低音部に戻ったり・・・するけれども、その跳躍がとても自然で。
こういう歌い方、あまり聞いたことがない気がします。

日本ではあまり知られていない歌い手かも知れませんが、私はAccuRadio というインターネットラジオではじめてこちらのアルバムを聴いてからファンになりました。

MAX JAZZから2006年に出された“Live at Jazz Standard”。
今回、彼女のアルバムを年代順に全て聞き直してみたのですが、最もお勧めなのもこのアルバムでした。

ノーマウィンストン、カートエリング、ジャニス・シーゲルなど、私が大好きなボーカリストと共演しているピアニストのフレッド・ハーシュとのDUOによるライブ盤。

この日にはじめて会った二人は、リハも打ち合わせもなく、ライブの途中で曲、キー、テンポを選んで演奏していったそうで、ナンシーに連絡せずにフレッドがライブの模様の録音を依頼した結果、この日の演奏が晴れて日の目をみることになったそうです。

スタンダードばかりなのでどの曲も彼女の自由な解釈が堪能できてお勧め。
ソロピアノにも定評があるフレッドの歌心溢れる演奏も美しいです。

圧巻は最後の曲Four。
ランバート・ヘンドリックス&ロスによるヴァージョンを使ってテンポを若干落としているのですが、そのテンポが抜群のグルーヴ感を生み出しているように感じました。

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そのほかのアルバムで面白かったのは、1999年にKing and Moore名義でCardas Recordsから出された“King on the Road”。
グレン・ムーアはそれまでのアルバムでもナンシーと何度も共演しているベーシストです。

このアルバムにも収録されているグレンとお連れ合いのキャサリンとの共作による楽曲を、ナンシーは幾度もレコーディングしているのですが、このアルバムがお勧めなのは、サックス奏者のロブ・シェプスが加わったベース、サックス、ヴォーカルというユニークな編成による個性溢れたアレンジ。

ジャズファンでよかったと思える至福の時間に感謝しました。。。。。

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posted by ありあ at 18:09| ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱

2021年10月22日

ライブは超久しぶり・・・

10/21は佐藤ミドリさんのピアノトリオと池袋ホットペッパーでライブでした。
緊急事態宣言が解除されたので6ヶ月半ぶりになります。
都内の感染者数もかなり減ったので、精神的にもかなり楽になって演奏することができました。

ミドリさん、うのしょうじさん、宮一佐知生さんのトリオでの演奏もききごたえあり!
こんなに長い間ライブをしなかったことなんてこれまでなかったので、演奏できる幸せな時間を噛みしめました。
お運び下さったお客様、応援ありがとうございました。

この日いただいたリクエストはCry me a Riverと
タッド・ダメロンがサラ・ヴォーンに書いた If You could See me Now。

ベースのうのしょうじさんと↓
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そして久しぶりにDancer&Singerの藍川キヨラさんが遊びにきて下さいました↓
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以上の撮影は古谷慎治さん

次回のホットペッパーのライブは、12月1日(水)です。
早くも12月ですね。
リクエストもお待ちしています。
開演/終演時間に変更があった場合には、またこのブログでお知らせします。

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posted by ありあ at 22:32| ライブのご報告

2021年07月23日

ニーナ・フリーロンの新譜は大きな愛に包まれて

先頃発売されたNnenna Freelonの新譜は“Time Traveler”、約10年ぶりのアルバムです。

1曲目の I Say a Little Prayerは、アレサ・フランクリンやディオンヌ・ワーウィックも歌っていたバカラックの曲。
ニーナもかつては軽快なアレンジでレコーディングしていましたが、今回はゴスペルを思わせる慈愛に満ちた歌声で、全く別の曲のようでした。

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HPによれば、今回のアルバムは2018年から2020年の間に録音されたのですが、その間に、40年連れ添った彼女の夫がALSで2019年に亡くなられたとのこと。
今回のアルバムでは、2人の思い出に満ちた曲が選曲されているそうです。

タイトル曲Time Travelerはニーナのオリジナル。
アルバムにはこんな言葉が記されていました。
〜歌は、誰も行ったことのない場所に連れて行ってくれたり、過去の大切な時に瞬時に戻ることができる時間旅行(time-traveling)の宇宙船のようなもの。
それぞれの曲が時空を超えて、過去と現在が一体となった、永遠の愛に満ちた場所へと私を誘ってくれるのです。
彼がこれらの曲を聴いて、人生の終わりに得られた光の中で微笑んでくれたことに、感謝しています。

Moon RiverやTime After Timeといったスタンダードを聴いていても、アルバムに込められた彼女の思いが重なって、これまで意識したことがなかったような大きくて力強い愛の言葉が、それぞれの歌詞に込められているように感じました。

ギターとのDUOによるスタイリスティクスの You Make Me Feel Brand Newやマービン・ゲイのメドレーも。多彩な選曲で、私たちも懐かしい時間旅行が楽しめます。

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posted by ありあ at 00:34| お勧めCD/ミュージシャン

2021年07月13日

洗練されたcuteな歌声:ブロッサム・ディアリー〜‘Jazz’Vocal 名盤・名唱(20)

ニューヨーク生まれのBlossom Dearie(1924年生-2009年没)はピアノの弾き語りが素晴らしい。
彼女のソロ・ヴォーカルアルバムでCD化されたものをコレクションし、年代順に聴いてみましたので、お勧めをご紹介します。

彼女は声が可憐なことで有名ですが、それだけではありません。
澄み切った声が見事にコントロールされていて。
繊細な表現にぞくぞくさせられます。

ヴァーブレコートから出された初期のアルバム“Blossom Dearie”(1957年)や“Once Upon a Summertime”(1958年)が名盤とされていますが、聴き応えがあるのはそれより後の時代のライブ盤ではないでしょうか。

“Sweet Blossom Dearie”(1967年)は、彼女のピアノによるトリオで、ジャズクラブ、ロニースコッツでのライブ録音。
Peel Me a Grape、You Turn Me On Baby、Big City's for Me、彼女のオリジナルSweet Georgie Fameなど。
知られたスタンダードではないけれど、レパートリーにしたい魅力的な曲がたくさん収録されています。
自分の個性を活かせる選曲が巧みです。

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“Winchester in Apple Blossom Time ”(1977年)は、1曲のみロン・カーターとのデュオですが、残りは全て一人でピアノの弾き語り。
ぴんと張り詰めた空気の中で、大切な宝物をそっと手渡されたようなイメージの演奏。
ピアノのヴォイシングの美しさが際立ちます。

ベースとのDUOを堪能したい方は“Me and Phill”。
1993年のメルボルンでのライブ収録で、フィリップ・スコージーのベースが彼女のピアノにアクセントを添えています。

自分の好きな作品を録音したいと、彼女は49歳の時に、自身のインディーズ・レーベルDAFFODIL RECORDSを立ち上げました。
ブラジルの雰囲気にあふれた新たなアプローチのアルバム“Blossom's Planet”をリリースしたのは76歳の時。
私にとっての「ブロッサム・ディアリー」はストイックなジャズ・ミュージシャンというイメージです。

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posted by ありあ at 22:49| ‘Jazz’Vocal 名盤・名唱

2021年06月19日

必聴 サラのライブ盤

4月に発売されたサラ・ヴォーンの“Live at the berlin philharmonie 1969”・
定期購読している雑誌『LAZZ LIFE』最新号の記事で見つけました。
1969年に行われたベルリン・ジャズ・フェスティヴァルでのピアノ・トリオとのライブ。

帯には「サラがMercuryを去りMainstreamと契約するまでの間、レコード会社に縛られることなく、ステージ活動に専念し世界中をツアーしていた時期のライヴ音源からの発掘」と書かれていました。
2回の公演のうちTVで生放送された2回目の公演はCD化されていましたが、1回目の公演も含むパッケージ化ははじめてとのこと。

バックをつとめているのはジョニー・ヴィース(p)、ガス・マンクーソ(b)、エド・プッチ(ds)。このトリオがサラのバッキング・グループだったのはごく短期間だったようです。

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サラの歌声が繊細にコントロールされており、あらためて驚かされます。
特にバラード。低音から高音まで管楽器のように彼女の体が「鳴っている」感じ。

Misty、My Funny Valentineや Fly Me to the Moonのように飽きるほど聴いてきた大スタンダードナンバーで、これだけ心が揺さぶられるとは。。。
サラのファンのみならず、ジャズヴォーカルファン必聴のアルバムだと思います。

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posted by ありあ at 22:09| お勧めCD/ミュージシャン