新しい動向が知りたくて、毎年ノミネートアルバムを聴くことにしています。
今年も新型コロナの影響で、発表日が延期されることになりました。
今回ベスト・ジャズヴォーカル・アルバムにノミネートされたアーティスト/アルバムタイトルはこちら
カート・エリング&チャーリー・ハンター/SuperBlue
サ・ベイラー・プロジェクト/Generations
ニーナ・フリーロン/Time Traveler
グレッチェン・パーラト/Flor
エスペランサ・スポルディング/Songwrites Apothecary Lab
これまでにブログでご紹介していなかったアルバムは次の2枚です。
The Baylor Projectはヴォーカリストのジャン・ベイラーとドラマーのマーカス・ベイラーの夫婦によるデュオ。
2017年のデビューアルバムThe Journeyもジャズ・ヴォーカル・アルバムとトラディショナルR&Bパフォーマンスの2部門にノミネートされていましたが、今回のアルバムは更にパワーアップしています。
サックス奏者のケニー・ギャレット、ヴォーカリストのジャズメイヤ・ホーンとダイアン・リーブスなど、ゲストが多彩。
「ソウルとジャズの境界線」と評していた記事を目にしましたが、正にそのとおりで、懐かしいソウル・ミュージックのノリを思わせる曲がある一方、Bopフィーリングなスキャット合戦が展開されたり。。。。
最後の曲名“Benediction”は祝祷という意味。
家族や愛をインスピレーションさせる余韻を残したアルバムです。

Esperanza Spaldingは、2020年の第62回グラミー賞を前作12 Little Spellsで受賞しています。
今回のアルバムは、人々のストレスや悲しみを和らげるために、音楽実験の場「ソングライツ・アポセカリー・ラボ」において、神経科学や音楽療法など多様な分野の専門家との協力で生まれたヒーリング・アルバムだそう。
切れ目なく続く12曲はうち2曲を除いて全て彼女の作。
やわらかな声が自在に羽ばたき、大きなものに身を任せようという気持ちが沸いてくる歌詞がついています。
共演するミュージシャンも多彩で、キューバ出身ドラマーのフランシスコ・メラやアルゼンチン人ピアニストのレオ・ジェノヴェス、トロンボーン奏者のコーリー・キングら。
ウェイン・ショーターの突然のアドリブ炸裂に驚かされたりして、私にはほとんどヒーリング効果が感じられませんでしたが。。。
最後にもう1枚。
過去にこのブログでも紹介したヴォーカリスト、ジャズメイア・ホーンの3作目のアルバム、Dear LoveがBest Large Jazz Ensemble Albumにノミネートされていました。
15人編成のビッグバンドNoble Forceの演奏は全て彼女自身がアレンジ。
Lover come Back to MeやHe's My Guyといったスタンダードナンバーも取り上げられていますが、語りで通す曲があったり、驚異のハイトーンで盛り上げる曲があったり、刺激的なアルバムです。
発表は3月頃になるでしょうか。
どのアルバムが受賞するのか、全く予想できません。
(追記)発表・授賞式が4月3日(日本時間4日)に開かれ、エスペランサ・スポルディングさんのアルバムが受賞しました。
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