今回ノミネートされていた女性ボーカルのアルバムは3枚。
まず
Carrmen Lundy の
”Modern Ancestors ”カーメン・ランディは好きなヴォーカリストなので、以前にこのブログでもご紹介したことがあります。
このアルバムも全曲彼女のオリジナル。
はじめて聴くのに印象的に耳に残る曲ばかり。曲調も変化に富んでいて飽きません。
楽器の演奏と歌が見事に溶け込んだ印象を与えるのは、彼女自身がアレンジに携わっているだけでなく、キーボードやギターなどの演奏を担当しているからでしょうか。
メッセージ性が高い曲もあって、Flowers and Candles(花とキャンドル)は、周りの世界の危険性を子供に伝えようとする歌。
今年66才で、迫力のある歌声と素晴らしいボーカルテクニック。
素敵なアルバムのデザインも彼女。本当に多彩な人です。
Somi が Frankfurt Radio Big Bandと共演した
“Holy Room: Live at Alte Oper”ソミというヴォーカリストを聴くのははじめてでした。
イリノイ州でルワンダとウガンダからの移民として生まれた39才のソングライター。
このアルバムでも人種差別や家庭内暴力といった社会問題と関わる曲が収録されています。
歌声はアフリカンテイストのグルーヴに溢れていますし、ビッグバンドによるライブ演奏なので迫力満点。
ピアニストの百々(どど)徹さんが参加されています。
Thana Alexa の
“Ona”タナ・アレクサも聴くのははじめてでした。
33才、クロアチア系アメリカ人で作曲やアレンジも手がけます。
アルバムの「Ona」とはクロアチア語で、「She」に該当する言葉だそうです。
2017年、ワシントンDCでの女性の権利に関するデモ行進に参加した経験に触発されて作られたアルバムらしい。2曲を除いた全てが彼女のオリジナル曲です。
中にはLGBTQに関わる曲も含まれていたのですが、そんな曲を聴いていると「女性ヴォーカル」「男性ヴォーカル」という区分でこのような記事を書くこと自体に違和感を感じてしまいました。。。。
歌声はsomiと似ているかも。大草原に風が吹くような壮大なスケールです。
今回ノミネートされた全アルバムを聴いていて思うのは、メッセージ性の高いアルバムが多かったということ。
オリジナル曲を書いて歌う中で自らの主張も自由に込めることができる、ジャズボーカリストならではの社会的な役割を垣間見たような気がします。
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